冬になるといっそう恋しくなる餡子が入った熱々の和風スナックたち。ホクホク、ほかほかの出来立てを口に頬張る至福のひととき。毎日でも食べたい庶民の味の中から、一つ上の逸品揃いを紹介します。今回は、「たい焼き」編です。
右:銀座たい焼き 櫻家 厚焼きたい焼き ¥226
左:たいやき わかば たいやき ¥180
【1】銀座たい焼き 櫻家 中目黒店:自立して個性を主張する、インパクト抜群のたい焼き。分厚い生地に甘さ控えめの餡を合わせ、じっくり30分かけて焼き上げました。小豆は淡い紫色と上品な香りが特徴の北海道帯広産・しゅまり品種。ボリュームはありますが、あっさりと食べられます。
【SHOP DATA】
東京都目黒区上目黒1-19-10
☎03-3760-3968 / 12:00~20:00
/ 無休
【2】たいやき わかば:味も形も、どこか郷愁を誘う、エバーグリーンの東京名物。
昭和28年創業、餡子も生地も昔ながらの超人気店。東京たい焼き御三家の一角を成すその味は、これぞスタンダードと感激する抜群の安定感。店名入りの尻尾の先まで餡子がみっちり詰まっています。
【SHOP DATA】
東京都新宿区若葉1-10
☎03-3351-4396 /
9:00~19:00 (土~18:30、祝~18:00) /
日曜休
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TRIVIA 1
たい焼きにはたくさんの兄弟たちがいた。
今は金型で焼くたい焼きですが、起源は小麦粉の生地を鉄板で焼く江戸の屋台「文字焼」。ここから派生した兄弟料理は多く、もんじゃ、お好み焼き、人形焼など。金型を使い立体的になったのは明治時代のことだそう。
右:銀座 まめはな お日持ち まめたい焼き 鉄子 ¥ 390(4個入り)
中:たいやき神田達磨 羽根付きたい焼き ¥ 180
左上:恵比寿たいやきひいらぎ たいやき ¥180
【3】銀座 まめはな 大丸東京店:
おちょぼ口で、目元ぱっちり。愛らしい顔立ちにも心惹かれる。
真ん丸が何ともかわいく、表情はどこかユーモラス。カステラのようにふんわり優しい卵入り生地で十勝産小豆の粒餡を包みました。ひと口サイズの個包装で箱入り。ちょっとした手土産にも向きます。
【SHOP DATA】東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店1F
☎ 03-3212-8011(代) / 10:00~20:00 / 無休
【4】たいやき神田達磨 神田小川町本店:パリパリの羽根付きという、斬新なアイデアが活きた傑作。
餡子は直火の銅窯で練り上げる伝統製法をきっちり継承。薄皮の生地を羽根付きにして現代のニーズに応えたオリジナルです。何といっても焼き立ての香ばしさは格別。カスタードクリームも人気です。
【SHOP DATA】東京都千代田区神田小川町2-1 /
☎ 03-5280-0870 / 11:00~21:00 (日・祝~20:00) / 無休
【5】恵比寿たいやきひいらぎ:焼き立てを頬張りたくなる、パリパリ生地と、ほっこり餡子。
30分以上、表面がパリパリになるまで焼いたクリスピーな生地がまず個性的。さらにほどよい甘さで、小豆の風味と粒が感じられる温かな餡も出色の出来映え。はみ出るほどに、たっぷり入っています。
【SHOP DATA】東京都渋谷区恵比寿1-4-1 /
☎ 03-3473-7050 / 11:00頃~20:00頃 / 不定休
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『ku:nel』2021年1月号掲載
写真 太田隆生 / 取材・文 田代 格 / 編集 友永文博 / 撮影協力 UTUWA