名物は滋味深い「健美粥」。北上野のモダンアジアンダイニングの薬膳ランチで、胃腸を整える

なんだか食欲がない、元気が出ない。そんなときでも、するすると食べられ、お腹の奥からほっこり温めてくれるお粥。東洋の食や健康の知恵が詰まった中国式のお粥を中心とした、薬膳のコースがいただけるアジアンレストランが東京・北上野にオープンしました。テーマは「健康で美しくなれる料理」。マチュア世代におすすめしたい健やかな料理について、〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの松永加奈さんがレポートします。

東京の下町・北上野に現れたモダンなお粥レストラン

昔ながらの街並みに江戸情緒が残る、東京の東エリア。文化が香る建物や路地裏に好奇心が刺激され、散策するたびに楽しい発見があります。その街の1つである北上野にオープンした、モダンアジアンレストラン「HENGEN(ヘンゲン)」を訪ねて来ました。

こちらのお店でいただけるのは、美容と健康をテーマに作られる中国式の〝健美粥〟を中心としたランチコース。以前、中国出身の友人が、朝から何時間もかけて生米から煮込んで作ってくれた、とろとろのお粥の深い味わいが忘れられなかった私。「また食べたい…(でも自分では作れない)」と何年も募っていた思いを胸に、お店の扉を開けました。

異国感ある店構え。外から伺える中の様子は最小限というところも気になります。

細長く奥へと続く吹き抜けの店内は2階建て。ほの暗い灯りの空間に浮かぶ木組みの設えは、いつか観た中国映画のようなノスタルジックな雰囲気。そして棚には何やら漬け込まれている瓶が並び、「これはきっと滋養の源に違いない」とお料理への期待が高まります。

食堂のような佇まいの1階は吹き抜けの開放感も魅力。

棚にはさまざまな瓶詰めとオリジナル食器「HEGE(ヘゲ)」が並びます。

ゆるやかな光がノスタルジックな2階の窓際のテーブル。

おいしさが心と体にじわりと広がるお粥と薬膳の数々

ランチコースは、5つのメニューで構成された1種類のみ。コースの中では肉か魚を選びます。肉が「牛テールと野菜の薬膳スープ」と聞き、スープが大好きな私は迷わず肉をチョイスしました。

まずは食前茶からスタート。今回は黒豆茶をベースに陳皮、龍眼、白きくらげのブレンドです。消化と巡り、潤いを促してくれるそうで、足し湯で何杯もいただきました。続いて運ばれてきたのは、炭火焼きでうま味が引き出された旬野菜。添えらえた青山椒のディップの鮮烈で爽快な香りが心地よいアクセントに。

季節に合わせた薬膳がブレンドされたスターターのお茶。足し湯をして何杯もいただきました。

炭火焼きの野菜。添えられた青山椒のディップは鮮烈な香りが印象的。

そして肉料理の「牛テールと野菜の優しい薬膳スープ仕立て」が登場。牛テールはコラーゲンがにじみ出るまで、じっくり5時間かけて蒸し煮しているそう。そこにナツメやクレソン、金針菜などの体を癒やす薬膳が入り、スープにはうま味と栄養分がたっぷり。心身に沁み渡るようなスープの滋味を堪能しました。

5時間蒸し煮にされた牛テールのスープ。コラーゲンと野菜のエキスも溶け出した味わいが、スープ好きにはたまらない!

主役のお粥は3種類。私は雑穀、もち麦、玄米の中からもち麦を。生米に少量の油を和えてから粒の形がなくなるまで3時間ほど煮炊きし、鶏出汁のスープで伸ばしたという健美粥。とろとろとまろやかな口当たりは、いつまでも味わっていたくなるおいしさです。お粥の横には、その時期の体に必要な栄養を持つ食材が多彩な形で添えられ、一緒に食べるもよし、それだけを楽しむもよし。

私が選んだもち麦のお粥。お米の形がなくなりとろとろのスープのようで、やさしい甘味とうま味が体を芯から温めてくれました。

お粥には、その時期に身体に必要な栄養を補う食材を使った付け合わせが。色の美しさも目にうれしいひと皿。

デザートは豆乳プリンとパイナップルケーキ。紹興酒香るいちごのソースが豆乳の風味とよく合い、オリジナルレシピのパイナップルケーキも顔がほころぶおいしさで、気づけば両方とも、あっという間に全部お腹の中へ……。

デザートの豆乳プリンには紹興酒のジャム(いちご)をのせて。生地に酒粕や味噌が使われているオリジナルレシピのパイナップルケーキは、おかわりしたくなるおいしさでした。

コスメブランド『OSAJI』の会社による新業態レストラン

『HENGEN』をプロデュースするのは、皮膚科学に基づいた敏感肌向けのコスメブランド『OSAJI(オサジ)』を展開する日東電化工業……と聞けば、メニューの随所に見られる健美へのこだわりも頷けます。そして、コース料理には同社の金属加工技術を生かしたテーブルウエア〈HEGE(ヘゲ)〉を使用。こちらは熱伝導性の高いアルミ素材と、すっきりしたフォルムの高いデザイン性を兼ね備えた「直火加熱ができるうつわ」。料理に火を使うシーンをより身近に、楽しく変えてくれそうです。

「へら絞り」という技術で一枚ずつ丁寧に成形している「HEGE(ヘゲ)」は、直火調理してそのままテーブルへ並べられる機能美が特徴。

テーブル上で熱しながら最後まで温かいお粥がいただけます。

体にとって意味のある旬の食材と穀物の良いところを、手間ひまかけて引き出した『HENGEN』のお料理。食事を終えて帰る頃には、心も体もぽかぽかと満たされていました。日々の暮らしで揺らぎを感じるとき、もちろん「おいしいものが食べたい」というときも、またあの青い扉を開けてみようと思います。

HENGEN

住:東京都台東区北上野2丁目20-2
電:03-5246-3385
営:木~月曜、11:00~18:00(最終入店は17:00まで)
休:火・水曜(その他不定休あり)
ホームページ:https://hengen.site/
Instagram:https://www.instagram.com/hengen_jp

 


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