暮らしを循環させ、自分らしく楽しく生きるー生活庭園研究家・四井千里さん【住まいと暮らしvol.67】

菜園仕事をするときは、甲斐犬のすみれを連れて。「おいしい空気と太陽の光のもとで気持ちよさそうです」

春に種をまき、育ててきたお花は摘んで、ドライフラワーに。

シュトーレンは、ピールも自家製。自宅周りで集めた素材でラッピングしてプレゼントするそう。

広葉樹に囲まれたご自宅。「夏は葉が茂り日かげを作ってくれて、冬には葉が落ち、リビングの大きな窓に優しい西陽が差し込み、とても気持ちが良いです」

四井さんが「魔女戸棚」と呼ぶ棚には、菜園で採取したハーブとチンキ、精油、フラワーエッセンスなどがいっぱい。

菜園で育てている芍薬は、満開になる前に摘み取って花瓶に活けて。「甘い香りのゴージャスな花で、リビングが一瞬で華やかになります。毎年芍薬を花瓶いっぱいに活けたくて、わが家の堆肥をたっぷりあげてお世話しています」

自家製ピールをたっぷり使って焼いたケーキ。「菜園仕事が忙しくなるとケーキ作りから遠ざかってしまうのですが、組み合わせを思いつくと焼きたくなってしまいます。わが家のニワトリが卵を産んでくれたときは、その卵を使って。冬は薪ストーブのオーブンで焼くので、よりおいしいケーキが焼きあがります」

暮らしの作業の合間に、自家製ケーキとおいしいお気に入りの紅茶、菜園から摘んできた花を飾ってお茶の時間を楽しむそう。「五感すべてが満足するお茶会を来年は開催したいと思っています」

ひらめきからジャムやお菓子を作ることが多いという四井さん。「夏の間に収穫してすぐに冷凍しておいたブルーベリーとルバーブをかけ合わせたら、色も美しく、おいしくなりそうと思って。ハーブで香りをつけたジャムができあがりました」

バラの花びらで起こした酵母で焼いたというパン。「酵母のブクブクしている様子を見ると、命を感じてワクワクします。パンを口に入れると、ほのかにバラの香りがして感動しました」

たくあんを漬けを作るために、真夏の最中にタネをまいて育てた大根。「4ヶ月かけて育った大根を1本ずつ抜いて、洗って軒下に吊るして干しているところ。太陽の光に当たったこの暮らしの景色が好きです」

摘みたてのブラックベリーとブルーベリー、ピンクレモネード。「何を作ろうかなとワクワクしながら、一粒一粒丁寧に摘み取ります」

雪が降った日に、真っ白な雪の上に、植物染めをした靴下を並べて。「美しい青色に染まる藍の生葉染めは、その時期にしか染められない色。ほかのものは保存してき、冬にゆっくりと染めます。明るく鮮やかな色に染まる植物を探すのもとても楽しい」

野菜メインに果樹や花、ハーブを育てている四井さん。「オルレアの白い花々に、黄色いバラのゴールデンボーダー。フラワーガーデン風な景色にも一瞬出会えて嬉しい」

冬の時期が長い八ヶ岳。「まだ緑の葉が出る前に、このすみれが咲き出すと、私にとって春の訪れになります。茶色の土の上に紫色のすみれを見つけると嬉しいし、すみれの摘みとりが私の植物との暮らしのスタートに。今年はどんな植物と楽しもうかなとワクワクします」

ノリウツギがうっすらピンク色に色付いてきた頃。「草と、食べているヤギのユキちゃんの白。ノリウツギの白色、ピンク色のコントラストがきれいです」

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の遠藤千恵さんのバトンを受けてご登場いただくのは、生活 ...[続きを読む]

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