【アンコール企画】元ミス日本・伊藤千桃さんの捨てないおしゃれ。着なくなった着物をリメイクして日常使いに

親族から受けついだり、若かりし頃の思い出が詰まっていたり、高価で大切なものだからこそ、しまいこんで箪笥の肥やしになりがちな着物。伊藤さんはリメイクして普段のおしゃれに取り入れていました。

これまでクウネル・サロンでご紹介した記事の中から、9月に読みたい記事をピックアップしました。
※記事の初出は2023年9月。

代々受け継いだ着物をおしゃれかつ簡単にリメイク

さまざまな行事を通して日本文化に触れ、和装に興味がわいたという、伊藤千桃さん。

「30代で着つけを習い、いざというときの外出着は着物にしてきました。日本の風土と合っていて、柄や小物で季節を先取りするなど、洋装とは違う楽しみ方ができるのも魅力です。
体型が変化しても着られ、染め直しや染め替えもできる。本当に無駄がないんです。年を重ねるほど、着物のすばらしさに気づかされました」
伊藤さんの着物の多くは親戚から譲り受けたもので、和箪笥に保管している着物は20枚以上。

「ありがたい半面、保管に困っていて‥‥‥。着ない着物の処分ができず、最善の策を探していました。そんなときに見つけたのが、松下純子さんの着物リメイク本。着物はほどくと反物に戻ると知り、洋服やバッグに蘇らせようと思いました」

『型紙なしでまっすぐ縫いの着物リメイク』¥1,540/日本ヴォーグ社 松下純子さんが提案する「型紙なし」「まっすぐ縫うだけ」の簡単リメイク。

松下純子さん Wrap Around R.
https://w-a-robe.com/

受け継いだまま、全く着ていない正絹(シルク)の絣の袷(裏地のついた着物)。洋服とは異なり、着物は裏地にも上質な正絹が使われているので、表裏ともにリメイクが可能。

袷の絣の着物をデニムと相性のいいチュニックに。「生地が柔らかいので着心地がよく、夏場は一枚で着ていました」

着物の反物幅を生かして作るのではさみをほとんどいれずに完成しました。

寝室の和箪笥には着物がぎっしり。「虫食いを防ぐために、たとう紙に包んでしまっています」

一枚分の着物地から洋服と小物を合わせて作れる

一度も着ないまま虫食いだらけになってしまった単衣の着物。捨てるのは忍びなく、ほどいて使える部分を継ぎはぎし、スカートに。
シミや変色、虫食いがあっても、タックスカートなら、表面に陰影感が出るので目立ちません。

「残りの生地が弱っていたので接着芯で補強し、バッグに。着物は一着ごとに柄や色合いが違うので、一点もののアイテムに生まれ変わります」

虫食いだらけだった単衣の着物がスカートとバッグに! 染みや虫食いがある状態の悪い着物でも、継ぎはぎしたり、接着芯で補強したり、工夫次第でリメイクできます。

6~9月に着る麻素材の絣の単衣(裏地がない一枚仕立ての着物)。全体的に虫食いはあるが、絣の柄のおかげで目立ちません。

反物幅の生地を六枚はぎ合わせ、ウエストを絞るだけで完成。麻はハリがあり、ボリュームが出やすいのでウエストに細かくタックを取ってシルエットを調整しました。

ハリのある麻生地なので、厚手の接着芯を貼って補強すれば、バッグ類にもリメイク可能。貴重品が収まる小ぶりサイズのポシェットは、犬の散歩や近所への買い物に便利。

トートバッグは、週1回通っているインドネシア語の教室用に、A4のテキストが入るサイズに。筆記用具やポーチ、携帯などを分けて収納できるよう内ポケットをつけ、さらに財布やハンカチが取り出しやすいように外ポケットも完備。

取材・文/坂口みずき

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この記事の
プレミアムメンバー

伊藤千桃

1950年ジャカルタ生まれ。インドネシアと日本のダブル。「桃花源」の屋号で、神奈川県・葉山の自宅をベースにお弁当ケータリング、バーベキューサービス、民泊などを行う。著書に『千桃流・暮らしの知恵』(主婦の友社)が。
Instagram:@toukagenhayama

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