ディオールの世界に浸るパリ案内。ギャラリーからクリスチャン・ディオールが愛した料理まで
パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISの主宰・荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしをご紹介。今月は荻野さんが、パリの超人気スポット『ラ・ギャラリー・ディオール』の魅力をレポートしてくれました。
東京での展示も鮮烈だったディオールギャラリー
先月末、日本からいらした方をパリ案内する機会があり、「ディオールを愛してやまない」というその方のリクエストに応えて、2022年春のオープン以来、世界中から注目を集める超人気スポットとなった『ラ・ギャラリー・ディオール』へ行ってきました。
予約なしで入ることも可能ですが、前を通るといつも、入場待ちの長い行列ができているので、ネットでの事前予約を強くおすすめします。時間より10分ほど前に行って予約専用の列に並べば、基本的には待たずに入れます。予約はこちらの専用ページから(英語)。1ヶ月先のカレンダーが表示されるので、希望の日をクリックして時間帯を選べばOK。1人12€ですが、その料金以上の価値がある内容だと思います。
ディオールの「美」を体感
私たちが訪れた11月末は、ちょうど新しいテーマの展覧会がはじまったばかりのタイミング。今回は、女性クリエイターたちに焦点をあてたフェミニズム的なメッセージを感じさせる展示で、クリスチャン・ディオールが、クチュリエとして活躍してからはもちろん、幼少期からすでに、周囲の女性たちと強い繋がりを持ち、影響を受けていたのかが分かる興味深い内容でした。
そして何よりも、クリスチャンが手がけた美しいドレスの数々、その後、イヴ・サンローランからマルク・ボアン、ジャンフランコ・フェレ、ジョン・ガリアーノ、ラフ・シモンズ、そして現在のマリア・グラツィア・キウリまで、ディオールの精神を受け継ぎ、発展させていった才能あるデザイナーたちの作品を、ごく間近で、繊細なプリーツのひだまでじっくりと愛でることができる幸せを堪能しました。
La Galerie Dior
住所:11 rue François Premier 75008 Paris
電話:+33182202200
HP
ディオールが愛した料理
そして、夜は「ディオールの卵」なる逸品を味わえる、キャビアの名店「プリュニエ・パリ」へ。場所は、凱旋門の立つシャルル・ド・ゴール広場から伸びるヴィクトール・ユーゴー大通り16番地。1921年創業の老舗らしい風格漂う店構えとアールデコの内装は、まさにパリでしか味わえない雰囲気!
レストランのメニューは、ミシュラン3つ星を保持し続けるスターシェフ、ヤニック・アレノが手がけていて、魚介類とキャビアのマリアージュを満喫できます。
「Œuf Christian Dior(クリスチャン・ディオールの卵)」は、イヴ・サンローランの公私にわたるパートナーだったピエール・ベルジェが、ある週末、ドーヴィルの別荘にディオールを招いた際に、大の卵好きだった彼のために発明したレシピで、半熟卵を丸ごと鶏のブイヨンのジュレで包み、その上に、ベルジェの大好物だったプリュニエのキャビアを30グラムたっぷりとのせたもの。
その後、プリュニエのオーナーとなったベルジェが、このメニューを名物として加え、現在は、アレノらしいアレンジを加えた「ディオールの卵」が楽しめます。キャビア入りのクリーミーなジュレソースと、半熟卵、そして贅沢に添えられたキャビア…ディオールのエレガントな世界観にどっぷり浸れる至福のひとときでした。
PRUNIER PARIS
住所:16 avenue Victor Hugo 75116 Paris
電話:014417358
HP
写真・文/荻野雅代
SHARE
この記事の
プレミアムメンバー
トリコロル・パリ
荻野雅代さんと桜井道子さんのユニット。パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰。最新ニュースやカルチャー、旅行・観光情報をはじめ、さまざまな情報を発信している。初のエッセイ『フランスの小さくて温かな暮らし365日~大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』(自由国民社)は6万5000部のヒットに。
https://tricolorparis.com/