「おや?」と思ったらすぐ受診したい人間ドックレポート。40代以降の女性、実は大腸がんのリスクが高まります

多忙な毎日の中で、つい後回しにしがちな自分の健康管理。特にホルモンバランスの影響を受けやすいマチュア世代の女性は、なにか不調があっても「年齢的なものかな」という言葉で括ってしまうことも多いのでは?
そこで今回は、女性特有の疾患を総合的にチェックできる「クレアージュ東京 レディースドッククリニック」の「YOU健診」を受診レポート。総院長・浜中聡子先生の「健診の重要性」のお話とともにお届けします。
マチュア世代は「大腸がん」に要注意
さまざまな疾患が気になる大人世代。中でも40代以降の女性は「乳がんや子宮がんはもちろんですが、がんによる女性の死亡件数がもっとも多い大腸がんには注意が必要です」と、浜中先生は言います。

「クレアージュ東京 レディースドッククリニック」の総院長・浜中聡子医師。
「大腸がんは、早期発見・早期治療すれば治る可能性の高いがんです。そのため、40代になったらまずは一度、内部を正確に検査できる大腸カメラを受診することをおすすめします」
そのほかにも、40代以降は何かと体調変化が出てくる時期。「年齢のせいだと決めつけず、きちんと検査することが大切です」

2021年に開業した「クレアージュ東京 レディースドッククリニック」。有楽町駅からすぐの場所にあります。
今回、ライターMが受診する「YOU健診」は、女性の罹患率・死亡率が高い3つのがん(乳がん・子宮がん・大腸がん)など、女性に多い疾患を年齢に合わせて総合的にチェックできる検査です。
「これは、企業健診に含まれていないことが多い経腟エコーや大腸カメラなど、詳細に身体の状態を調べられる検査をまとめた健診でもあります。女性のみなさんに、一年に一度は受けていただきたい内容です」
クリニックでは、女性一人一人が自分の体に起こりうるリスクを、これまでよりも多く、正しく知ることができるよう、この健診を広めていきたいと考えているのだそうです。
洗練された空間×ホスピタリティで、安心の受診体験
アラフィフの私(ライターM)が直近で婦人科系を受診したのは、6年も前のこと。幸い異常は見つかりませんでしたが、ひどい生理痛の原因は分からずじまいでした。
海外での受診だったため、「日本できちんと診てもらおう」と思っていたのに、気づけば帰国して3年半が経過。「まあ、年齢的なものかな」と、検査を先延ばしにしてきたことを浜中先生のお話で猛省し、健診を受けました。

広々とした受付は、おしゃれなホテルのよう。スタッフは医師も含めて全員女性です。
今回私が受けたのは、「子宮・卵巣、大腸、乳房の検査」ができる、40代以上向けのプラン「YOU健診」。ちなみに「YOU健診」とは、「子宮・卵巣(Y)」「大腸(O)」「乳房(U)」の形をそれぞれアルファベットに見立てて名付けたネーミングなのだそうです。
受付で説明を受けた後、専用のウエアとトートバッグ(検査中の荷物携帯用)を渡され、身支度を整えたら待合室へ。
クリニックは、受付から更衣室、待合室に至るまで、シックなカラーとおしゃれなインテリアで統一され、とても洗練された雰囲気。ドアを開けるたびに広がる素敵空間に、「おぉ…」と気分が上がりました。

待合室の窓際にはカウンターを設置。都心ならではの景色が広がります。
完全予約制に加え、事前にWEBで問診を済ませていたので、どの場面も待ち時間なく、スムーズかつスピーディーに進行。スタッフのてきぱきとしつつも親切な対応に、少し緊張していた気持ちも和らいでいきました。
女性特有の検査をまとめて受診
この日は「子宮・卵巣(Y)」と「乳房(U)」の検査を受診しました(大腸カメラは事前準備があるため1週間後)。まずは「乳房超音波(エコー)」から。乳房に超音波をあてて、しこりの有無や乳腺の状態を調べます(10分程度)。
暗室で天井を見上げながら「こんなにくまなく調べないと病気は見つからないんだな」と、受診していなかったことを再び反省……。

ぐぉーんと動く大きい機械にびっくりした「マンモグラフィ」は、縦横の2方向から。話に聞く「ぺたんこにつぶれる胸」の痛みは、耐えられる範囲でした。
そして、人生初の「マンモグラフィ」へ。予想を超える巨大な機械に驚きつつ、技師の方の指示に従って検査を受けました。「気分が悪くなったら無理せずお知らせくださいね」と声をかけていただきましたが、特に問題もなく、「つぶれてる……」とだけは大いに実感しつつ、無事に検査終了。
次に婦人科検査へ。子宮や卵巣の状態を詳細に調べる「経腟超音波(エコー)」、子宮頸がんの早期発見を目的とした「子宮頸部細胞診」、子宮頸発がん性ウイルス(ヒトパピローマウイルス)への感染を調べる「ハイリスクHPV」を受診。
もともと生理痛に悩んでいることなどを伝え、エコーの画面を見ながら説明を受けました。以前ははっきりと見えなかった部分が、今回はしっかりと確認でき、状態がより具体的にわかってひとまず安堵。

お茶とお菓子、ちょっとうれしいプレゼントです。持ち帰りOKなトートバッグは、院内の移動中に便利でした。検査結果は4週間後にメールと郵送で送られてきます。
翌週の大腸カメラについての説明を受け、お茶とお菓子をいただいて、この日の検査は終了です。
“見えない部分”をしっかりチェック、大腸内視鏡検査
1週間後、大腸がんやポリープなどの異常を早期発見するための「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」を受けました。とにかく「大腸を空っぽ」にすることがマストなこの検査。前日の食事は塩をかけた豆腐と白がゆで乗り切り、自宅での下剤を経て、朝からクリニックへ。

大きな仕切りが付いた待機スペースは、椅子もゆったりとしていて個室感覚。背後に(すごくきれいな)トイレがあり、「もよおしたらトイレへ」を繰り返します。
当日は仕切りの付いた席で液体の下剤とお水、ルイボスティーを順番に規定量ずつ5分かけて飲みます。そして、トイレに行くたびに排泄物の状態を記録しながら、それが透明になるまで続けます。
お腹が痛くなることもなく、ひたすら「飲む」「トイレ」を繰り返すこと1時間ちょっと。スタッフの方から「早い!」というお褒めの言葉と一緒にOKが出ました。人によってはなかなかGOサインが出ず、薬が2本目に突入することもあるとか。前日の豆腐&白がゆ作戦、がんばってよかった!

液体の下剤は「かなりケミカルなレモンドリンク」という印象ですが、私は全然平気な味でした。ブースにはコンセントがありPCで仕事もOK。但し、時間を測りながら液体を摂取していくので集中できず、結局、スマホを見て過ごしました。
検査では鎮静剤(点滴)を使うので、ベッドに横たわり「始まるな」と思っていたら終わっていたという感じ。その間、20分ほどで、もちろん痛みなどはなし。
リカバリールームで1時間ほど休んだ後、別室へ。小さいポリープが見つかり、その場切除したこと(※事前に同意書を提出済み)、生検に回すけれど恐らく問題はないこと、などを担当医師から説明され、お昼過ぎに検査が終わりました。
※ポリープの切除や生検は保険診療となり、医師の判断によって対応されます

奥にある検査室前の窓から。院内の視界が広くて明るいと、やはりほっとします。大腸カメラの結果は2週間後に医師から直接電話で。次の検査は3年後に受けるよう言われました。
受診して改めて感じたのは、当然ながら「体の中は自分では見えないことばかり」ということ。細かく調べないと見つからない病原がある、精密検査とはよくいったものだなとつくづく感じました。
「定期的な健診は、健康維持のためだけでなく、早期発見のためにも重要です。早期に発見すれば、ご自身が描く将来への影響も最小限で済むでしょう。また、一回一回の検査結果に一喜一憂せず、点と点を線で結ぶように経過を確認することが大切。信頼できる施設やかかりつけ医を見つけることも、重要なポイントです」(浜中先生)。
楽しくアクティブな毎日を過ごすためには、やはり健康が基本。ぜひ一度、女性専門外来で自分の体の状態をチェックしてみてください。

クレアージュ東京 レディースドッククリニック
住:東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館17階
公式ホームページ:https://www.creage.or.jp/
取材・文/松永加奈