イザベル・ユペールとケイト・ブランシェット/前編。石川三千花さんのイラスト&エッセイで深堀り

イザベル・ユペール/Isabelle Huppert

パリ16区生まれ。リセ時代から演技を本格的に修め、後に国立高等演劇学校にも学ぶ。舞台から1971年には映像デビュー。以降、現在に至るまで圧倒的演技でめざましい活躍を続ける。

ケイト・ブランシェット/Cate Blanchett

オーストラリア、メルボルン出身。国立演劇学院を卒業、1992年舞台でキャリアを始め映画デビュー後、ハリウッドへも進出、多くの映画で活躍。UNHCRの親善大使を務めるなどの活動も。

『エル ELLE』

会社の経営を担うやり手でリッチなマダムが自宅でレイプされるが、彼女はそれを訴えない。しかし徐々に彼女の真意が見えていくことに……。ハリウッドでも絶賛を受け、この作品でイザベルの立ち位置がまた進化した。2016年

『主婦マリーがしたこと』

イザベルは、ノルマンディのふつうの主婦だったがフランスの女性最後のギロチン処刑をされた主人公に扮し、鮮烈な印象を残している。30代なかば、淡々としつつ運命をただ悲しいだけで終わらせない壮絶な演技! 1988年

『ピアニスト』

禁欲的な人生を送ってきたピアノ教師が、若い男性に迫られてから、屈折した性衝動を暴発させ始める。こういったセクシャルな暗部を抱えるマダム役はイザベルの独壇場といった感じ。2001年カンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞。

『TAR/ター』

ベルリンフィル初の女性マエストロ、リディア・ターの栄光と苦悩のストーリー。演技力うんぬんは言わずもがな。ケイトと扮するターとの一体感が激しく、リアルな話のような気さえしてくる。演奏、指揮シーンも見もの。2022年

『エリザベス』

ケイト・ブランシェットの存在を世界に知らしめた作品。16世紀イングランドの女王、エリザベス1世を演じた。歴史の流れに翻弄され孤独を極める女王が覚悟をもって国を守っていく様子はケイトの知性や堂々の姿勢とぴったり。1998年

『キャロル』

1950年代のNY。ミステリアスな上流の女性と彼女に憧れるアルバイトのデパート店員、2人は本当の恋に生きられるのだろうか。スーツ姿の流線を描くラインも美しく、強く繊細なエレガンシーで演じる。2015年

超然としてかっこいい大人の代表として誰もが思うイザベル・ユペールとケイト・ブランシェット。2人の輝きの秘密を、石川三千花さんのエッセイに出演作やファッション ...[続きを読む]

『クウネル』2024年11月号掲載 編集/原 千香子、エッセイ・イラスト/石川三千花

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『クウネル』NO.129掲載

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