クウネルサロン・プレミアムメンバーの寺本美樹さんがここぞという仕事の際に必ずつけるというお守りネックレスには、不思議なストーリーがあるのだそう。「まるで、おとぎ話の中にいるような、夢見心地の時間でした」。今から20年前のできごとを丁寧に語っていただきました。
寺本美樹/てらもとみき
アパレルメーカーの運営を経て、現在は起業準備中。 「クウネル・サロン」プレミアムメンバーとしても活躍する。今後の活動の詳細 はHPをチェック。http://www.mikiteramoto.com/
それは、今年20歳になる息子がお腹にいるときのことでした。
ジュエリーブランド『マリーエレーヌ ドゥ タイヤック』の鈴チャームのネックレスは、「そのとき」からほとんど肌身離さず着けてきた、いわばお守りのような存在です。
『マリーエレーヌ ドゥ タイヤック』は、「石の魅力」を最大限に引き出したジュエリーが人気のブランド。創設から数年後の2001年、デザイナーが来日しトランクショーを開くと聞きつけ、以前からファンだった寺本美樹さんは駆けつけました。
「憧れていたマリーエレーヌさんはとても優美な雰囲気で、思った以上に素敵な女性でした」 赤ちゃんを身ごもっていた寺本美樹さんに薦めてくれたのが、鈴のネックレス。
「私が妊娠していたときも、この鈴のネックレスをしていたのよ。隣の部屋 で寝ている赤ちゃんは、お腹の中でこの鈴の音を聞きながら大きくなったの」
鈴の中のカラーストーンは数種類あったのですが、その中から「あなたにはコレ」と、 選んでもらったのがピンクトルマリンです。
愛情に満ちた石といわれていて、 特に女性にエネルギーを与え、心に平安をもたらしてくれる、そんなパワーがあるのだとか。
「石の話を聞いていると、近くで眠るマリーエレーヌさんの小さな赤ちゃんの寝息が聞こえてくるんです。目の前に並ぶ、ダイヤモンドとたくさんのカラーストーンの波動も感じて、何ともいえない幸福感がありました」
以来、鈴のネックレスはいつも寺本美樹さんの胸元で輝いています。マリーエレーヌさんを真似して、妊娠期、寺本さんは首の鈴を振り、お腹の赤ちゃんにリンリンという優しい音を何度も何度も聞かせました 。「親子の絆 を作ってくれたもののひとつといってもいいかもしれません」。
さて、この物語にはその後があります。
「数年前、息子が渋谷のスケートパークで仲良くなった男の子が、マリーエレーヌさんの息子さん。それ以来、SNSなどでつながっているみたい。東京とパリ、遠い町で育ったふたりが出会うなんてすごい偶然ですね」
息子の成長を見守ってきたゴールドの鈴。人生はひと巡りし、その息子も いよいよ成人。これからは、寺本美樹さん自身をサポートするために、鈴の音は鳴っていくのでしょう。
写真/有賀 傑 取材・文/鈴木麻子 再編集/久保田千晴