〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの那須明美さんはケア・マネージャー歴20年と、介護の現場の大ベテラン。介護世代でもある「マチュア世代」のために、これから月に一回のペースで介護のお話をしていただきます。
家族が「もう限界」にならないために
「介護は終わりが見えないのがつらい、とよく言われます。毎日毎日、朝昼晩。イライラがつのり、つい声を荒げてしまうこともあれば、トイレ介助で夜中に何度も起こされて睡眠不足。たまにはゆっくり眠りたい!と思っても、介護に日曜はないんです。肉体的にも精神的にもストレスがたまり、気づいたらもう限界、なんていうことも。私たちケアマネージャーの仕事は介護を必要とする人の支援だけでなく、こうした介護を担う家族の援護も大切な役割なんです」
そう話す那須さんはケアマネージャーになって20年。きっかけはご自身の離婚でした。
母1人で子供2人を育て上げ
「子供2人を一人前にするまで、どんな仕事をしたらちゃんと育てることができるか。考えに考えました。当時、ケアハウスの職員として働いていましたが、ある日担当のケアマネージャーさんがやってきて、ふと、こういう職業にはどうしたらなれるんだろう?と。調べてみたら受験資格を満たすには、医師や介護福祉士といった国家資格か、相談援助などの実務経験が必要でした。幸い私には生活相談員の経験があり、受験資格があったんです」
そして2002年、資格を取得。まずは施設所属のケアマネになり、2年後に在宅での生活を支援する居宅ケアマネに転じます。
自宅ケアにやりがいを感じて…
「施設ケアマネも居宅ケアマネもそれぞれ一長一短ありますが、私は要介護者本人が自宅でどう暮らしたいかを一緒に考えていく居宅ケアマネによりやりがいを感じました。独居から老老介護、家族の疲弊などケースに応じて適切な情報を提供し、介護サービスに結びつけていきます」
「独居で、まずは住まいの環境整備やご本人の清潔保持が待ったなしの場合は、地域包括センターやヘルパー、病院のソーシャルワーカーなど他職種の人とチームを組んで対応することもあります。また家族が疲弊している場合は、会話の中でその思いを受け止め、少しでも介護から手を離せる時間をつくるためにデイサービスやショートステイなどのサービスを提案していきます」
「ありがとう」に力が湧いてきます
基本は月1回の訪問が義務。だから要介護者と日々接するサービス事業者と違って、直接「ありがとう」と声をかけられることは実はあまりないと言います。
「でも長く携わっていると、時には介護が一段落した家族から突然近況報告の便りがあったり、最後のご挨拶にうかがった際に温かいお手紙をいただいたりもします。『那須さんに話を聞いてもらえるから、月に1回の来訪が楽しみだった』とか『担当してもらえてよかった』などと感謝されると、思いがけなかった分うれしくなって、この仕事をしてきてよかったなー、なんてじんわり。それがこの仕事の糧なのかもしれませんね」
文/佐々木信子(tampopo組)
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