【「リサとガスパール」が綴られる家】アンさん、ゲオルグさん夫妻が暮らすパリのアパルトマン。/前編
家は住む人を守り、心をなごませる大切な容れ物です。心からのくつろぎを求めて家をつくった人たちに、その住み心地を聞いてみました。
今回は、世界中で愛される「リサとガスパール」の作者ご夫妻の、居住空間とアトリエが広がるパリ市内のアパルトマンをご紹介します。
光と庭に癒される、コクーンのような住まい。
パリの中心地とは思えぬほど、緑豊かな庭のあるアパルトマン。
ここが「リサとガスパール」の作者である、アンさんゲオルグさん夫妻の住まいです。
「不動産広告が好きな友人が見つけてくれました。パリにまだこんな物件があるなんて、何か問題が?と疑いましたがそれもなく購入することに」とアンさんがインタビューに応じてくれました。
寝室
アンさんの書斎はここの一角に。戸棚は以前住んでいた家から。
かくして一家は世紀の面影を残す、5区の住居へ2019年に転居しました。
「3人の子どもが自室を欲しがったので個々のスペースを確保するよう、自分たちで改装を計画しました」
工事期間は3ヶ月。広いリビングを作るため、壁を取り払ったり、入り口が別だった下階に直接行けるよう、新たに階段を設けたり。改装の方法もユニークで愛用する家具のサイズを測り、家具が収まるように設計を考えたそうです。
庭に面する上階のリビング。庭への出入り口と3つの窓、隣り合うキッチンの2つの窓から1日中、気持ちの良い光が入る。「あまり天気が良くない日も明るいのですよ。庭に面する窓がたくさんあるおかげで本当に快適ですし、落ち着きます」とアンさんは語る。
「昔、住んでいたイタリアの家から運んだ戸棚、以前に住んでいたマレのアパルトマンにあったもの、すべてに歴史があります。大切にしている家具を全部、ここに置きたかったのです」
3面に窓があるため風通しが良く、明るいのがこの家の魅力です。
「以前住んでいたアパルトマンは日当たりがいまいちで。雨で外出をしない日は閉じ込められている気分になりました。ここは日当たりが良く、庭に出れば外の空気と自然を楽しめます。隣人の気配も少なく、一軒家のよう。小さな繭の中にいるような快さを感じています」
ゲオルグさんの作品を飾るコーナー
まるでギャラリーのよう。ピアノは長男が弾く。手前の〈ノール〉のチューリップテーブルは、アンさんとゲオルグさんが仕事の打ち合わせなどに使う場所。
アンさん、ゲオルグさん宅の間取り図。
1、2階で約185平米。築100年以上。庭は約200平米。1階はゲオルグさんのアトリエで2階は家族の居住空間。高低のある地形に建ち、玄関は2階にある。
PROFILE
ゲオルグ・ハレンスレーベン/アン・グットマン
ゲオルグ・ハレンスレーベン 画家 67歳
ドイツ生まれ。大学卒業後、ローマで画家として活動をスタート。パリでアンと知り合い、結婚。他に「ペネロペ」シリーズや『イザベルと天使』(金の星社)など作品多数。
アン・グットマン 絵本作家 55歳
パリ生まれ。出版社ガリマール・ジュネスにデザイナーとして勤務。99年、夫との共作「リサとガスパール」を発表し、世界的ヒット。ストーリーづくりと装丁を担当する。
『クウネル』2026年5月号掲載
写真/篠 あゆみ、取材・文/木戸美由紀、編集/今井 恵
SHARE
『クウネル』NO.138掲載
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