いよいよクリスマスが近づいてきました。今年は、静かに近しい人々と過ごすという方が多いのでしょうか?クリスマスの本場フランスの街の人々は、どんなふうに過ごしているの?パリ在住の〈クウネル・サロン〉メンバーの松永加奈さんに教えていただきました。
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フランスは1月上旬までのクリスマスバカンスに入りました。日本人の私は「え、もう?またバカンス?」と思いますが、フランスの人々にとってクリスマスは一年でもっとも大切なイベント。そのため、休暇の意味合いも全然違うのだそう。「夏休みも同じようなこと言っているのに?」と再び疑問になりますが、友人たちの話を聞くと、フランスのリアルクリスマスがどれだけ大切(で大変)なことなのかがわかります。
先日首相が会見を行い、ロックダウンの一部緩和と変更を発表しました。新たに出された夜間外出禁止令は、12月24日のみ除外。地方間の移動は許可され、自宅へ人を招待することもOKに。この緩和措置は「クリスマスを家族と過ごすため」に出されたもの。そう、フランスでは「家族とクリスマスを過ごす」ことが何よりも大事、それに向かってみんなが全力で動くのです!
2020年も無事(?)に環境が整ったところで…まずは帰省のためのスケジューリング。大抵、実家に家族が集合するので、24日と25日をパートナーどちらの実家で過ごすのか調整が必要。親が離婚している場合も同様で、両方の家に行くために、毎回頭を悩ませている友人もいます。それぞれのご家庭で打開策をとるようですが、なんといっても「大切な日」が連続しているので、現実的に移動が大変。これがクリアできていれば、年明けまでゆっくり滞在するケースもあります。
そしてクリスマスといえばプレゼント。子供だけでなく、集合する人数分を全部用意するので、この準備がとにかく大変そう!子供と大人を合わせて20人ほど…と聞いたときには、関係ない私もめまいがしました。子供用のプレゼントは事前にリサーチ、家族には「見栄えがする」「趣味に合った」「自分がもらってうれしいもの」をチョイス。万が一、誰か忘れていたら大変なので、人数が多いときは早めのリストアップからスタート。毎年のことなので予算の目安はあるとはいえ、当然、かなりお金がかかります。でも、ここはもう、一年の最大のイベント(だから仕方ない!)とみんな腹を括って臨んでいます。
当日のディナーは、前菜からデザートまでお母さんがすべて手作りするご家庭もあれば、買ってきたり持ち寄ったりとさまざま。フォアグラやチキン、シーフードの盛り合わせといったお祝いの定番料理をメインに、明け方まで延々と宴が続くことも…。始まれば楽しいひとときも、やはりただ参加するだけではない伝統の家族行事。さながら日本のお正月といったところでしょうか。時代が変わり、簡略化するご家庭もすこーしずつ出てはいるようですが、まだまだ伝統は強い!その日に向けて、テンション上げて、みなさんJoyeux Noël!!