【テーマのある旅】イラストレーター杉浦さやかさんのこけしとかわいい紙と出合う旅

自分の好きをとことん極めた“テーマのある旅”は、旅先の風景や人との出会いまでも、特別なものにしてくれます。偏愛たっぷりの旅を楽しむイラストレーター杉浦さやかさんに、その魅力を伺いました。
テーマがあると旅はもっと楽しくなる。
20代前半から骨董市などで少しずつこけしを集めはじめた杉浦さやかさん。27歳で銀山温泉と鳴子温泉を巡る“こけし旅”に出かけて以来、その魅力にすっかり夢中になっているそうです。

取材中も「かわいいなぁ」と溢れるこけし愛を披露してくれた杉浦さん。

20~30代で行ったこけし旅中の写真。今は見られないこけしの電話ボックスも発見。
「こけしの魅力は、なんといっても愛らしい表情。こけし工人さんごとに、代々受け継がれた伝統的な柄で描かれていたり、新しい柄にチャレンジしていたりと、手も足もないのに表現の幅がとても広いんです。工房に伺って直接こけしを購入するのも楽しみのひとつで、工人さんたちも本当に親切な方ばかり。温泉地とお土産こけしはセットなので、温泉もあわせて満喫できます」

UFOやケーキのモチーフなど、「遊び心のあるユニークなこけしたちにも惹かれます」。

老舗レストランや喫茶店など、各店の個性が詰まったマッチ。ロゴやフォント、レトロな色使いなど、見ているだけでも楽しくなる。
また国内旅行で集めたという、マッチや紙ナプキン、包装紙、ショップカードなどの紙ものは、手に取るたびに思い出がよみがえります。「旅が好きになった20代半ば頃から、かわいい紙ものは必ず持ち帰り、ファイリングしたり、缶に入れて保管しています。特にレトロなデザインが好き。マッチなど、今では見かける機会が少なくなったものも多いですが、自分だけの旅の思い出として手放せない宝物です」
PLOFILE

杉浦さやか/すぎうら・さやか
絵本や雑誌などでイラストレーターとして活躍中。文章にも定評があり、イラスト&エッセイの著書多数。最新刊は『わたしたちの歳時記』(ワニブックス)。
『クウネル』2025年9月号掲載 写真/中村優子、取材・文/ 阿部里歩
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