整理収納コンサルタント・本多さおりさんの65㎡4人暮らしの家/後編。片付けのコツは使う場所とものの住所を近づける

整理収納コンサルタントの本多さおりさんに、家が片づいている理由や、そのための秘訣や心がけていることを伺いました。
前編/「収納は最小限、家に広さは求めない」からの続きです。
したいことと必要なものをセットにすると自然と片付く。
\有孔ボードを効果的に/

奥の和室が布団を敷いて寝ている寝室。撤去できなかったパイプは麻縄を巻いて部屋のアクセントにした。
片づけにくさの要因は「使う場所とものの住所が遠いこと」と本多さん。
「特に毎日使う1軍のもの。距離の遠さに加えて、しゃがんだり、前に置いてあるものをどかさないといけなかったり、障害になる要素もなるべくなくしたいですね。“取る・片づける動作”がラクかどうか。それを追求していくと、片づけやすい収納になるはずです」
\クローゼットに家族全員分の衣類を集約/

リビング中央のクローゼットにはコート以外の家族4人分の服を収納。暖簾で子どもも出入りしやすく。
\収納グッズは2つ以上並べて/

雑誌や本は背表紙が隠れるよう布バスケットに入れて。「収納グッズは同じ素材、色のものを2つ以上並べると秩序が生まれ、整然と見えますよ」。
リビングや寝室も考え方は同じ。家族4人分の服はリビングのクローゼットに全部まとめ、出す&しまう手間を軽減。アクセサリーはクローゼットの鏡の下の小引き出しに、おもちゃは子どもが遊ぶテレビ台の下に、寝る前の読み聞かせの絵本は寝室の収納に、というふうに。
\靴箱も整然と/

靴は箱から出して見やすく。空いたスペースには季節家電などを収納。小さな空間も有効活用。

玄関横はコート掛けと本棚、趣味の道具を収納。靴を履かなくてもいいようにマットを敷いて。
「収納棚やグッズを買い足すことを考えるよりも、まずはその場所ですることと必要なものをセットで考えて、今あるものの場所を見直すといいと思います」
\洗面所もスッキリ/

掃除の手間を省くため洗面台はものを出しっぱなしにしないルール。
\洗面グッズはかごにまとめて/

洗面道具類はすぐ後ろの棚に。使うときにケースごと持ち運び洗面台をつねにきれいな状態に。
本多さんがものを処分するのもまさにそのタイミングだと言います。
「『そういえば最近使ってないな』と思ったものはとりあえず。“保留”のスペースに入れておく。やっぱり使うかもと思ったら戻せばいいし、でもたいていは忘れてしまうので、次のものが来て入らなくなったら処分してスライドさせています。同じ家事をしていても、暮らしは日々変化していますから」

築19年、65平米。3LDKだった部屋をリノベーションして回遊できるワンルームに。リビングと寝室の間は収納式の引き戸で仕切れるようになっていて、戸を引き出せば個室に。
PROFILE
本多さおり/ほんだ・さおり
整理収納コンサルタント
オンラインで毎月収納相談室を開くほかVoicyなどで活躍。ラクに片づいて家事がしやすい収納づくりを提案。「無印良品と365日」(大和書房)ほか著書多数。