広瀬裕子さん120㎡から45㎡への暮らし替え/後編。持ち物はほぼこれだけ!のミニマムな棚を公開!

本当に気に入ったものがあればたくさんはなくていい。その分、ひとつひとつに思いを込めて。暮らしをコンパクトにしたら、風通しが良くなりました。最小限のものでスッキリ暮らす〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの広瀬裕子さんのお宅を訪ねました。
広瀬裕子さん120㎡から45㎡への暮らし替え/前編。ソファも、棚も、大きなテーブルも手放したら暮らしは「余白」たっぷりからの続きです。
使わないものを手放し、心地よいものだけに厳選。
「歳を重ねるうちに、ものがたくさんある楽しさよりも、それを管理する負担のほうが大きくなってしまったんです。使わないものを持っているのが苦手で。持つなら、ちゃんと使って生かしたい」。本当に必要なもの、「思いがある」ものだけにしぼった結果、ほとんどの持ち物が備え付けの棚に収まる量になりました。
広瀬さんの「余白」を生む収納方法。

左)頭を悩ませていた着物の収納は、畳紙をオーダーして同じもので統一してスッキリさせた。白い引き出しには薬や文房具など細かい日用品を収納。
中左)掛け布団も敷布団も自宅で洗えるものにしたので、とても気持ちがいい。
中右)本当に気に入った衣類数枚を「ユニフォーム」のように着回し。「今日何を着よう?」と悩まなくなった。色は黒、グレー、白のみ。
右)素材はシワになりにくいウールのものを3シーズン着ている。

キッチンの収納にも「余白」たっぷり。吊り戸棚には使用頻度の少ない道具を収納。『バルミューダ』の電気ケトルは、紅茶、煎茶、コーヒーなど用途に合わせて微妙な温度調整ができるところが気に入っている。

キッチンツールは、引き出しに収納。一種一個が原則で、ステンレス製で統一。量が多くないので、特に仕切りが無くてもごちゃごちゃせず収まっている。
暮らしの道具、これだけに。
定期的に暮らし方や持ち物の見直しをしている広瀬さん。60代目前、「これだけ」にした道具の一例を見せてくれました。
【日常の器】
食器棚の破損(※上記記載)から「二度と手に入らない器が割れてしまう」やるせなさを実感。今後は、これからも買い足せるロングセラー品でそろえようと、『ロイヤルコペンハーゲン』を使うことにした。

【鍋類】
何十年も愛用していた鍋があったけれど、引っ越し先がIHですべて使えないことが発覚。こちらも見直し。20㎝、12㎝の鍋ふたつと、深めのフライパンの3点にしぼった。料理も年々、シンプルになっている。

【コーヒー道具】
コーヒーを前ほど飲まなくなり、豆の鮮度を保つのが難しくなった。コーヒーミルを使った後の粉の散らかりも気になり、道具を処分し、個包装のドリップコーヒーに。コーヒーまわりのスペースが空き、スッキリ。

広瀬裕子さん自宅の間取り図。

築18年のマンションで、約45平米の1DK。お年寄り、若いファミリーと多様な住人構成に魅力を感じている。黒猫のあめが同居。
PROFILE

広瀬裕子/ひろせゆうこ
エッセイスト、空間デザイン・ディレクター
60代突入に向けての思いや、暮らしの工夫を綴った新刊『60歳からあたらしい私』(扶桑社)
が3月27日に発売される。
『クウネル』2025年5月号掲載 写真/加藤新作、取材・文/鈴木麻子、間取りイラスト/丹下京子
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この記事の
プレミアムメンバー

広瀬裕子
執筆のかたわら、50歳から空間設計の仕事をはじめ、現在は設計事務所の共同代表としてホテルや店舗、レストランなどのディレクション、フードアドバイス等にも携わる。著書に『60歳からあたらしい私』(扶桑社)など多数。
Instagram:@yukohirose19