美木ちがやさんと学ぶ!はじめての美容医療&健康寿命のための足爪ケア【ku:nel REAL SALONレポ】

11月28日にクウネル・サロン一般会員の方々を招いたイベント、「ku:nel REAL SALON vol.1 ~クウネル世代はじめての美容医療 & 気になる足爪ケア入門」が行われました。

「ku:nel REAL SALON」はクウネル世代の気になるトピックについて、クウネルプレミアムメンバーとその道の専門家が楽しくわかりやすいトークセッションをお届けするイベント。第一回目となる今回は、トータルビューティデザイナーの美木ちがやさんと麻布台クリニック院長・齋藤昌孝先生のお二人にお話しいただきました。

インスタグラムライブでも配信された本イベントですが、「当日見ることができなかった......」「もう一度内容をおさらいしたい!」そんな声におこたえして、イベントの内容をレポートにてお届けいたします。

PROFILE

美木ちがや

トータルビューティデザイナー。母の川邉サチコさんとともにKAWABE LABを主宰。一人一人に合ったヘアメイク・ファッションスタイリングを提案。ジュエリー・ファッション・コスメなどの商品開発の他、フォトグラファーなどマルチに活躍中。Instagram:@chigaya_miki

齋藤昌孝

麻布台クリニック院長。皮膚科全般(特に爪の病気やトラブル)、美容皮膚科が専門。2023年から麻布台クリニック院長に就任。地域医療にも力を入れている。得意な施術は、巻き爪矯正、陥入爪の低侵襲手術、レーザー治療、ボトックス注射、ヒアルロン酸注入。

最近の美容医療事情!ちがやさんのお悩みには何がいい?

「加齢を止めるアンチエイジングではなく、実年齢よりも若返ることを目指すリバースエイジンングが今の考え方」と話す齋藤先生。

美容医療という言葉が気軽に飛び交うようになっているこの頃。ひと昔前の美容医療というと美容外科でメスを使って......という手術のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、最近の美容医療事情はどのようになっているのでしょうか。

齋藤昌孝先生(以下、齋藤先生)

最近の美容医療はマイルドな施術を積み重ねていくことで、周りには気付かれにくいものの、自分では納得のいく結果が得られて、見た目年齢が変化(若返り)していくというイメージかなと思います。

美木ちがやさん(以下、ちがやさん)

私は実際に先生のクリニックを受診し、まず最初にスコープみたいなもので肌の状態を診てもらいました。あれで何がわかるのでしょうか?

齋藤先生

肌画像診断機ですね。最近流行っているもので、お顔を三方向から撮影をすることで、シミやくすみ、赤み、毛穴の状態を画像でしっかりと見ることができます。

診断結果からどういったことができるのかを提案していくのが今のやり方ですね。

イベントはクウネル・サロン一般会員の方々をお招きし、麻布台クリニックで実施。

麻生台クリニックで使用している肌画像診断機では、肌の現在の状態と将来の予測がわかるとのこと。診断を受けたちがやさんが最も気になった症状は、肌の赤みだったと話します。赤みを気にしたことがなかったからこそ驚きの結果だったようです。

齋藤先生

ちがやさんが気になったという顔の赤みですが、顔は血管がたくさん張り巡らされているので血液の流れがとても良く、温度の変化や心理的なストレスなど様々な要因で血管が閉じたり開いたりして赤くなり、次第に血管が浮き出てきてしまいます。お化粧を落とす時の摩擦などの積み重ねが赤みにつながったりもします。

ちがやさん

赤みに対しての治療は何かありますか?

齋藤先生

レーザーなどの光治療があります。レーザーは強い光を当てて血管を焼く方法で、強い分ダウンタイム(痛みや腫れ、内出血などの症状が回復して日常生活に戻るまでの期間があります。

レーザーよりもマイルドな光治療として、当院ではフォトフェイシャルと呼ばれる施術が大人気です。IPLというレーザーよりも弱い光を当てる方法で、月に1回程度を何度か繰り返すことで少しずつ血管を退縮させていきます。

ちがやさん

フォトフェイシャルはマイルドな治療ということですが、治療を受けたその日にお化粧することもできますか?

齋藤先生

フォトフェイシャルはダウンタイムがほとんどないので、その日にお化粧もできます。日常生活での制限もなく、周りにも何か気づかれることもないと思います。

ちなみにフォトフェイシャルは、「赤みに効く波長の光」や「シミに効く波長の光」といった数種類の光を一度に当てることができたり、それぞれの光を選んで当てることができるので、様々なお悩みに対応できることが強みです。

美容医療へはじめの一歩!クウネル世代におすすめの治療

事前アンケートで「美容医療は何からはじめたらいいかわからない」という声が寄せられました!

先ほどのお話の中で、レーザーやフォトフェイシャルといった治療方法が登場しましたが、美容医療初心者のクウネル世代へ向けたおすすめの治療を教えてください。

齋藤先生

美容医療は年代によって求めるものが変化していくと思うのですが、40代以降を考えるとシミ・シワ・たるみの治療かなと思います。

シミなどの皮膚の色みに対してはレーザーがおすすめです。効果が得られやすいので、誰でも「やって良かった」と感じられると思います。

ちがやさん

私も、シミ治療は気軽にできると思います。先生のクリニックで腕のシミ取りをしたのですが、レーザーを1回当てて、後日かさぶたが取れたら本当にキレイになりました!

ちがやさんも大満足だったシミ取りレーザー治療。個人差はあれど基本的には1回の治療でキレイになるので、効果を実感しやすいところが嬉しいですね。では、シワにはどのような治療が良いのでしょうか。

齋藤先生

シワには大きく2種類あって、表情によってできるシワと、表情を動かさなくても刻まれてしまうシワ。

いわゆる "刻みじわ" は治療が難しくなるので、その前にやっておきたいのはボトックスです。筋肉の動きを弱くする作用があり、額や眉間、目尻など刻みジワになりやすい箇所にボトックスの注射を打つとシワが生じにくくなります。

ボトックスを打ち続けると効果が弱くなるという話もあるようですが......。

齋藤先生

確かに効果が弱くなる可能性はあります。ボトックスはボツリヌス菌がつくる毒素が有効成分なのですが、タンパク質なので、体の中に抗体ができてしまうことがあるのです。

実際には、一度に大量のボトックスを打たない、高頻度で打たない、などを守っていれば、実際には抗体ができて効かなくなってしまうことは少ないと思います。

シミとシワは効果がわかりやすい治療だと齋藤先生。では、たるみ治療についてはどうでしょうか。

齋藤先生

実はたるみは厄介。特に女性は加齢とともに骨が痩せて後退し土台が弱くなって、かつ皮膚を支えている靭帯がゴムのように伸びて下がってしまいます。

顔の脂肪も落ちていくため頬の部分が窪んできたり、口角の下にお肉が乗っかってきたり。たるみは様々なタイプがあるので、顔の状態を診てから適した治療を提案していきます。

保険適用される?気になる治療費

美容医療というと治療費も気になるところ。保険適用と保険適用外、両方の治療があるのでしょうか。

齋藤先生

保険が適用になるのは病気の治療だけなので、美容目的の治療は保険ではカバーできません

例えば、生まれつきの青アザの「太田母斑」という疾患は、保険適用でレーザーができます。一方で、同じレーザーを使用するとしても、加齢でできるシミは保険適用外となります。

美容医療業界の裏話(?!)もわかりやすく説明してくださる齋藤先生のお話に、真剣に聞き入るクウネル・サロン一般会員の方々。

美容目的の場合は基本的に保険適用外ということは覚えておきたいポイントですね。ただ、美容医療はクリニックによって料金の差が結構ありますが......。

齋藤先生

同じ治療でも地域で違ったり、有名な医師がいるところは強気な料金設定だったりしますよね。

同じ治療内容でも、使用している薬剤の違いで料金が変わることも。例えばボトックスの治療といっても様々な薬があって、私のクリニックでは厚生労働省が承認しているアラガン社製のものを使っていますが、他社製の安価な薬剤を海外から輸入して使っているクリニックもあったりします。

ちがやさん

そういうことなんですね。

齋藤先生

「ずいぶん安いな」と感じる場合は何か理由があると思ってもいいかもしれません。

先ほど話にあがったシミ取りレーザーは、料金差があってもわりと気軽に受けられる価格設定のところが多いです。シミが取れてハッピーになれるのであれば気軽に受けてみてもいいと思います。

ちがやさん

本当にそう思います!私は腕にシミがあった時、どう隠そうか試行錯誤でした。手や腕っていつも自分の目に入るところでしょう。いつも気になってしまって。

こんなにキレイになるなら早く治療すれば良かったと思っています。見た目がキレイになるだけじゃなく精神的にもとてもいいですよね。

自分に合う美容クリニックを見つける方法

クリニックの選び方は紹介や口コミに頼りすぎず、「自分で選ぶ力を付けていかなければ」とちがやさん。

今ではたくさんの美容クリニックがあるため、どう選べばいいかわからない方も多いはず。若い世代はSNSを見て人気のある医師のところへ行く人が多いと話す齋藤先生。

では、確かな効果と安全性を第一優先にしたいクウネル世代は、どのようにクリニックを選べばいいのでしょうか。

齋藤先生

担当する医師の経歴を見て皮膚科や形成外科などの専門医かどうか皮膚科領域の治療であればそれなりの皮膚科のトレーニングを積んでいるかをまずはチェックするといいと思います。

なぜかというと、どうしても一定の確率でちょっとしたトラブルが起こってしまうこともあるので、その時に適切に対処してもらえるかどうかにつながってくるからです。

ちがやさん

おっしゃる通りですね。また、私はクリニックとの相性もとても大きいと思います。カウンセリングだけでも行ってみて、自分の感覚で「いいな」と思うところを選ぶことも大事だと思います。

健康のためにクウネル世代は足ケアを!

齋藤先生は爪疾患に関する論文や著書も多数執筆。「僕は日本で一番、患者さんの爪を切っている医師だと思います。年間何千人もの爪を切るので!」

齋藤先生は皮膚科全般だけでなく爪疾患も専門とのことで、足爪ケアについても伺いたいと思います。人生100年時代、健康的に歳を重ねるためには足爪ケアは欠かせないと齋藤先生は話します。

齋藤先生

健康寿命を考えた時に、やはり自分で手を使えて自分の足で歩ける方がいいじゃないですか。足は不自由になると周りからのサポートがかなり必要になってしまうため、特に歩くことはできるだけ自分の足でしたいわけです。

そうした時に、安定して歩くために爪は重要で、爪がおかしくなると転倒するリスクが高くなると言われています。

ちがやさん

やはり足の爪って重要なんですね!実は、私が通っているネイルサロンのネイリストさんに「フット(ネイル)をやってください。そろそろ足もケアしてください」と言われるんですよ。

齋藤先生

歳を重ねると足の爪が変形してきてしまうんですよね。特に女性は靴の影響で爪が変形している人が多いです。

足の爪は自分で切るのが難しく、その方の爪に合わせて切り方を変えたりもするので言葉だけで伝えるのが難しい。

巻き爪で悩んでいる方も多いと思うのですが、先生のところに相談に行ったらどのような治療になるのでしょうか。

齋藤先生

矯正具を装着するとで巻き爪を改善することができます。ただ歯の矯正のようにずっときれいなままとはいかず、爪の場合は伸びてくるので、矯正をやめるとまた戻ってきてしまいます。

ただ、「巻き爪が痛くて」と来院した方の中には、全然巻き爪じゃない方もいらっしゃるんです。巻き爪は本来、爪の形で判断するので痛みだけではわからない。そのため、きちんと診断してもらう方がいいですね。

インスタグラムで生配信も。「先生のところで足を診ていただけますか?」と質問をいただきました。診察していただけます!

巻き爪も含め、足爪を悪くしないようにするために今からできることはありますか。

齋藤先生

靴がすべてですね。日本はそこがすごく遅れていて、本来は子供の時から正しい靴を選んで履かなければならないんです。それなのに、学生の頃は学校指定のローファーを履いたり、社会人になったらヒールで通勤したり。本来歩くための靴じゃないもので、足に負担をかけているんです。

そういった積み重ねで、爪だけじゃなく、まず骨や関節に負担をかけて外反母趾になってしまったり、たこ・魚の目ができてしまいます。

7人に1人も?!軽視できない水虫のこと

爪ケアの重要性に続いて、実は日本人は水虫に感染している人も多いという話に。水虫は人から人へうつってしまうため、正しい知識を得ておきたいですね。

ちがやさん

足のトラブルに関して、水虫が7人に1人というのは本当ですか?

齋藤先生

日本人は7人に1人くらいが水虫だと言われています。水虫って痒いものだと思うかもしれませんが、痒くない水虫も少なくないんですよ。痒みのあるなしでは判断できないんです。

ちがやさん

7人に1人の病気ってなかなかないですよね。なぜそんなに多いのでしょうか?

齋藤先生

水虫になりやすい要因としては湿度があげられるので、湿度が高い気候に加えて、日本の文化として靴下やストッキングで過ごすことが多い日本人では、、足の皮膚の湿度が高くなりやすいということが大きいですね。

足の皮がむけているときは痒くなくても必ず水虫の検査をした方が良いとのこと。さらに水虫がひどくなるとどのような症状が出てくるのでしょうか。

齋藤先生

放っておくと、それが爪に入っていって、一気に治りにくくなってしまうんです。さらに厄介なのが指の間になる水虫で、水虫によって皮膚のバリアが弱ると、そこから雑菌が入ってきてしまいます。

ちがやさん

私の知人で、水虫になって歩くことが困難になった方がいました。水虫は軽視できないですよね。

齋藤先生

菌が入ることで蜂窩織炎(ほうかしきえん)になってしまうことがあり、例えば糖尿病の方が蜂窩織炎になった場合、蜂窩織炎の痛みに気がつかず菌が全身にまわってしまい、それで亡くなる方も時々いらっしゃいます。

美容も健康も、知識レベルを磨いていこう

美容医療と足爪ケアについて1時間以上のトークが繰り広げられた本イベント。最後に、齋藤先生とちがやさんよりコメントをいただきました。

齋藤先生

最初の一歩って難しいと思います。どこに行ったら、何をやったらと。一般皮膚科と美容皮膚科をどちらもやっているクリニックもあると思うので、そういうところは相談に行きやすいかもしれません。

一度美容医療を受けると、例えば気になっていたシミがなくなったら、今度は他のところが気になるようになって、他の治療もやってみたくなることも多いです。今は昔と違って切るような施術ばかりではなく抵抗なくできるものもあるので、少しづつチャレンジしてみると思ったより楽しかったりハッピーになれると思います。

ちがやさん

お話を伺ってつくづく思ったのは、大人世代としてきちんと知識のある医師のクリニックを選ぶということ。

それには、自分の美容知識レベルを磨いて、情報をしっかりキャッチして、自分に何があっているのかを研究して、人任せずにせず選ぶということが大切だと思いました。

大充実の内容だった「ku:nel REAL SALON vol.1 」。これからも読者の皆様の気になるトピックをお届けしていきます!

当日会場にお越しいただいた読者の皆さま、インスタライブを視聴くださった皆さま、ありがとうございました!

撮影 幸喜ひかり/文 上野郁

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美木ちがや

トータルビューティデザイナー。母の川邉サチコさんとともにKAWABE LABを主宰。一人一人に合ったヘアメイク・ファッションスタイリングを提案。ジュエリー・ファッション・コスメなどの商品開発の他、フォトグラファーなどマルチに活躍中。
http://www.sachikokawabe.com/
Instagram : @chigaya_miki

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