屋根裏部屋の昼寝も快適な築140年の古民家。陶芸家・白倉えみさんのくつろげる部屋 (前編)

ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回は陶芸家・白倉えみさんのお部屋です。

後編はこちら

間取り

約150平米。築140年。屋根裏部屋などもあり、増築した部分もあるイレギュラーな間取り。2階へはダイニングルーム脇の階段から。自宅兼工房であり、店としてのギャラリースペースも。

長年住んでいても飽きない、楽しみが続く家。

縁側に吊したハンモックがお気に入りの休憩場所に。西日が暑い夏場は、エアコンのあるダイニングルームにハンモックごと移動。手前はギャラリースペース。天井には白倉さんのオブジェ作品が。

横須賀市の秋谷海岸は、海越しに富士山を望む夕日スポットとしても有名な景勝地。その海岸近くに、陶芸家の白倉えみさんが、木工作家の夫・よしみつさんと暮らしている家があります。

かつて大工の棟梁が住んでいたという築140年以上の古民家。15年前、縁あって訪れたこの家をひと目で気に入り、海が近いことも、最寄り駅がどこかも知らずに、借りることになったそうです。

太い梁が組まれた屋根裏部屋は、人の背丈よりも低い天井と、柔らかな採光が落ち着く小ぢんまりした空間。読書や昼寝には最適。

「夫も私も元々はインテリアの仕事をしていたので、家具の配置などは得意だと思っていたのですが、この重厚感のある日本家屋に何かを置くというのが難しくて、当初はすごく迷いました。でも、ラグを敷くとか、古道具を飾るとか、ここにグリーンを置こうとか、些細なことなんですけど、それが結構面白くて。次はこうしようかと考える余地があるので、永遠に完成しない。そんな飽きない家です」と、模様替えを楽しみながら暮らす白倉さん。自宅にアトリエや窯場を構え、家でする仕事だから、自分の好きな環境で創作活動ができるのは理想的です。

和室や奥の寝室に面した中庭。引っ越し当初、雑草が生い茂っていたところを掘ると、飛び石や池の跡が出現したそう。間に木を植えて、元々あった枯山水の風情のある庭が見事に復活。

広い間口の玄関。玄関前の庭に植えられたさまざまな樹木が季節毎に彩りを変え、道行く人も楽しませてくれる。ここから100mほどで海岸という絶好のロケーション。

PROFILE

白倉えみ/しらくら・えみ

陶芸家。第2金曜から月曜は自宅併設のKURAKURA storehouseにて、自身と夫の作品展示の他、他の作家の展示なども行っている。Instagram:@kurakura_storehouse

『クウネル』2024年7月号掲載 写真/加藤新作、取材・文/黒澤弥生

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『クウネル』NO.127掲載

くつろげる部屋が好き!

  • 発売日 : 2024年5月20日
  • 価格 : 1000円 (税込)

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