3月8日はミモザの日。フランス人も大好きな花。南仏のミモザ祭りはいつか行ってみたい
パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISの主宰・荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしをご紹介。今月は荻野さんが、フランスの冬の景色を明るくする花・ミモザについてレポートしれくれました。3月8日は「ミモザの日」で、イタリアでは女性にミモザを贈る習慣もあるのだとか。
グレーな冬の街を明るくしてくれます
寒波が訪れ、氷点下の気温が続いた1月ほどではありませんが、2月のパリはそれでもまだ厚手のコートが手放せません。その上、ここ数週間はずっと曇り空や雨模様ばかりで、鬱々とした気持ちになりがちで、街を歩いていても、なんとなく色を失ったような感覚に陥ります。
そんなどんよりと曇った冬のパリで、ひときわ目をひく存在が黄色いミモザの花。1月末から3月にかけて、フランスの風景に欠かせない存在です。この時期は、どこのお花屋さんの軒先にも、ボリュームたっぷりのミモザが並んでいて、遠くから見ると、そこだけ明かりが灯ったような華やかな空気が漂います。
ミモザは単体で飾るのがフレンチスタイル?!
お花屋さん以外でも、ホテルやショップ、レストランのテーブルデコレーションなどで、ミモザをふんだんに使ったブーケをとってもよく見かけます。花びらのある花と違って、少し野生味が感じられるので、あえて他の花とは合わせずに、ミモザだけを無造作に束ねて飾っていることが多く、気取らない、そのノンシャランな感じが、きっとフランス人に好まれる理由なのかなと思います。
私自身、日本に暮らしている時はさほど目にしなかったミモザですが、フランスに来て大好きになりました。寒い日が続くこの季節は、うつむきがちに歩いてしまいがちですが、小さなビーズのようなミモザの花が目に入ると、気分がパッと晴れて元気をもらえます。
花言葉は「優しさ、感受性、優雅さ」などがありますが、フランスで最も知れ渡っているのが「密かな愛」。「私があなたを愛していることを誰も知らない」という花言葉が素敵で、それもミモザが好きな理由のひとつです。
憧れの南仏・ミモザ街道
ミモザといえば、毎年2月に、南仏の町マンドゥリュー・ラ・ナプール(Mandelieu la Napoule)で開催される「ミモザ祭(La fête du Mimosa)」があります。1931年から続く歴史ある花祭りで、今年は2月14日〜18日に開催されました。地元で栽培されたミモザで飾られた山車のパレードや、コンサート、イリュミネーションなど、ミモザづくしの5日間。
そして、Bormes-les-Mimosas(ボルム・レ・ミモザ)から、香水の村として知られるGrasse(グラース)までの130kmにわたる道路はミモザ街道と呼ばれ、ミモザの木々が満開を迎えるこの時期には、観光バスやシトロエンの2CVで巡るミモザツアーもあります。夏のバカンスによく訪れる南仏ですが、いつかミモザ祭のタイミングにコート・ダジュール訪れてみたいなぁ・・・と思っています。
取材・文/荻野雅代
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トリコロル・パリ
荻野雅代さんと桜井道子さんのユニット。パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰。最新ニュースやカルチャー、旅行・観光情報をはじめ、さまざまな情報を発信している。初のエッセイ『フランスの小さくて温かな暮らし365日~大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』(自由国民社)は6万5000部のヒットに。
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