暮らしの傍らには、いつも数冊の本があるというなぎのりこさん。そんななぎさんが、これまで幾度となく助けられてきたという人生の「愛読書」をご紹介します。
なぎさんの鞄には、いつも数冊の本が入っています。一冊だけではなく、常にジャンルの異なる本を同時並行で読み進めるのがなぎさん流なのです。中でも読み返すことの多いいくつかの作品を、特別に持ってきていただきました。
■「求めない」加島祥造/著(小学館文庫)
■「なまけ者のさとり方」タデウス・ゴラス/著、山川紘矢・亜希子/訳 (PHP文庫)
■「向田邦子ベスト・エッセイ」向田邦子/著、向田和子/編(ちくま文庫)
■「海からの贈り物」アン・モロウ・リンドバーグ/著 、吉田健一/訳(新潮文庫)
■「なんらかの事情」岸本佐和子/著(ちくま文庫)
■「夜空はいつでも最高密度の青空だ」最果タヒ/著(リトルモア)
「詩、小説、エッセイなどジャンルは違いますが、それぞれ出てくる思想、フレーズのひとつひとつから大きな影響を受けました。向田邦子さんがなにかで‟おしゃれをするように言葉を身につけなさい”とおっしゃっていたんですが、大人になった今、それは本当に必要なことだなと感じます。メイクやファッションはそれなりにアイテムを揃えればそれなりに取り繕えますけど、教養だけは自分できちんと本を読んだり日々の勉強を積み重ねないと、身につかないんですよね」
また、なぎさんのもうひとつの日課は「日記」をつけること。娘さんを出産してまもない27歳のころから現在に至るまで、思い出や気になるフレーズを、ノートに書き留めてきたといいます。
「こう見えて、感情の起伏が激しいんです。だから、その日の出来事を振り返りながら気持ちの整理をして、さらにそこから‟なりたい自分”というのを客観的に捉えるようにしているんです。それから、日常の中で思いを相手に伝えようと思ったとき、ぴたっとくるフレーズがあったら互いに心地良いので、本から感銘を受けた言葉たちもここに残しています」