「既存の服がしっくりこない」「マンネリを打破したいけれどどうしたらいいのかわからない」など、体型や生活スタイルの変化で、ファッションの悩みは起こりがちです。そんな「もやもや」に向き合い続けて9年のパーソナルコーディネーターに話を聞きました。
パーソナルスタイリングというお仕事をご存知ですか? 一般の方が日ごろのファッションの悩みをプロに相談し、アドバイスを受け、おすすめのアイテムや着こなしを提案してもらえるサービスです。長年、雑誌や広告界でスタイリストとして活躍してきた植村美智子さんは、9年前にこのサービスを始めました。以来、お客様は約480人にもなるというプロ中のプロ。
「クウネル世代のお客様も数多くいらっしゃいます。自分が好きなもの、似合うものがかたまってきている世代ではあるのですが、だからこそ客観的にチェックしてほしいとおっしゃるんです。『はたして、いまの自分のおしゃれはどうなんだろう?』と疑問に思われるんですね。若いころから親しんできているスタイルにとらわれ、その年代にふさわしいおしゃれにアップデートできていないのでは?と、相談されることが少なくありません」
植村さんが行うのは、買い物に同行しておすすめをセレクトし、コーディネートを提案するショッピング・ツアーコース、クローゼットの中身を見て取捨選択をし、必要アイテムやコーディネート例を提案するワードローブチェックコース。どちらも大切にしているのは事前のカウンセリング。どんな暮らしで、何が好きで、何が必要なのか?などをじっくり聞きます。
「話しているうちに、『あ、私フェミニンなものが好きなんですね』とか、意外な傾向や好みに気づく方もいます。ファッションについて、人と話すことなんて、あまりないじゃないですか?特に大人は。だから、そういう向き合う時間があることも、アップデートするうえでは大切なんです。自分らしいスタイルをもつのはとても素敵ですが、時代や年代に合わせて柔軟に変えると、着る人をより輝かせてくれます。たとえば、パンツを柔らかい質感のものに、トップスをゆとりのある身幅のものになど、ちょっとした変化で新鮮なものとなりますよ。客観的な視点が入ることで、本人が気づきづらい魅力や似合うものに辿り着けるんです」
まずは自身の好みやなりたいスタイルを意識。
『ku:nel』2019年11月号
写真 柳原久子/取材・文 鈴木麻子