話題の商品を使い比べ。いまどきのトースターは優秀です。

食パンの流行に呼応するように、トースターにも新顔が次々と登場。どれがおいしくパンを焼けるのか、どこをチェックして選べばいいか。ブレッドジャーナリスト・清水美穂子さんにいまどきのトースターの使い勝手を聞きました。
仕事柄、トースターを使う機会が多いという清水美穂子さん。「ひとくちに食パンといっても水分が多いものもあれば、バターが多いものもあります。冷凍もあれば、常温のことも。さまざまな状態にあるパンが、見張っていなくても理想の焼き加減になるトースターはうれしいですよね」
その代表的な機種として試したのが今回の2台。『バルミューダ ザ・トー
スター』は、いまどきのトースターブームの火付け役的な存在で、上部の給水口に少量の水を注いで使うスタイル。
「スチームでパンの内面をふっくらさせた後、表面を一気にこんがり焼き上げます。チーズトーストモードはパンが焦げすぎない絶妙な火加減。好みの焼き色にしたいときはタイマーで時間調整。ダイヤルを回すだけのシンプルな操作で使いやすく、パン屋さんが併設しているカフェでもよく見かけます」
上部にある給水口に付属のミニカップで水を注いで使用。スチームによってパンの内部に水分が閉じ込 められ、中はふんわり、外はサクッと焼き上げる。フランスパン、クロワッサンなど5モード搭載。
トースト●6枚切りの角食パンをトーストモードで3分焼けばこんがりおいしそうな焼き色に。冷凍の場合は右側のダイヤルで1分追加する。
チーズトースト●デンマーク産のマリボーをのせてチーズトーストモードで5分焼き、黒コショウを。上火が強めなのでハムなどをのせた調理にもいい。

バルミューダ ザ トースター
写真の新色ショコラは、赤みがかったチョコレートのような柔らかな色。シンプルなデザイン、操作性で使いやすい。手動で170℃~230℃の三段階温度設定ができる。幅357×奥321×高209㎜。¥22,900(税別)
『パナソニック コンパクトオーブン』はワンタッチで厚切、薄切や常温、冷凍の切り替えなど細かな設定が可能。
「冷凍したパンでも常温と同じように、表面を焦がしすぎることなく、中まで火が通るので、忙しい朝にも助かります。惣菜パンモードで調理したバナナとピーナッツバターのホットサンドは、内側は熱々でとろり、外は香ばしい理想的な仕上がりで、最高ですね」
トースト、クロワッサン、惣菜パンなど7つの自動メニューを配置。メニューボタンを押せば、近赤外 線ヒーターでパンの中を最適の温度であたためた後、遠赤外線ヒーターで表面を素早く焼き上げる。
トースト●薄切、常温、焼き色ふつうの設定を選び、自動コースでトースト。焼き色を変える設定もあり、自分の好みに合わせて調整できる。
バナナとピーナッツバターのホットサンド●手作りサンドを惣菜パンモードで焼くと、ベストな時間を自動でコントロール。約10分で内側アツアツのお店で食べるようなホットサンドに。

パナソニック コンパクトオー ブン NB-DT52
2019年9月上旬発売の製品は、トーストの厚切、薄切コース、冷凍キーを新搭載。予熱不要でスピーディーに使える120~260℃のオーブン機能も便利。幅331×奥305×高263㎜。¥20,000(税別、編集部調べ)
実は、清水さんは食パンの究極の愉しみは、耳と内側のコントラストを味
わうことにあると考えているそう。「耳、かっこよく言えばクラストにこ
だわっているパン屋さんは多いのですが、どちらの機種で焼いた食パンもカリッ、ふわっが完璧で幸せを感じます」

しみず・みほこ
ブレッドジャーナリスト。おいしいパンのある日常の愉しみやパンをとりまく人々をテーマに、総合情報サイト『オールアバウト』をはじめ多くのメディアに執筆。著書に『BAKERS』(実業之日本社)など。
『ku:nel』2019年11月号掲載
写真 阿部 ケンヤ/取材・文 石毛幸子
