脚本家・岡田惠和が描く大人の恋愛ドラマ『最後から二番目の恋』は名言の宝庫/後編

前作から11年の時を経て、あの人気ドラマ『最後から二番目の恋』が帰ってきました。大ファンだというイラストレーターの五月女ケイ子さんと共に、心に残る印象的な台詞をプレイバック!
元気をくれる名言集
『続・最後から二番目の恋』より

8話、自由を求めて失踪していた和平の妹典子が戻ってきた時の千明の言葉。「誰にだって自由に対する憧れがある」と話す和平に反論する千明の言葉。「私は認めませんからね!」と和平と言い合いに。

9話、遅刻しそうになり駅までダッシュしながら「おんぶしましょうか?」と言う和平に千明が放った言葉。様々なエピソードを経て、最後は酔い潰れた千明を和平がおんぶして帰宅するシーンで終わる。

8話終盤、「まだまだですね」と落ち込む千明と語る和平の言葉。「まだまだはいいことだ」と言いながら、「まだまだなのに残された時間はどんどん少なくなっていく、やれやれですよ」と笑い合う。

9話、職場に突然小学校の同級生が訪ねてきて、思い出話に花を咲かせていたらストッキングをセールスされる。和平を呼び出しやりきれない思いやその後の顛末を説明する千明の台詞の一部。
ドラマの大ファン!イラストレーター・五月女ケイ子さんかく語りき
2期目になり48歳になった千明は、第1期よりも年齢による変化を受け入れているように思えます。1期目から「女らしい」「男らしい」ということがよく語られているのですが、第2期では千明がどんどん男性化していくんです。

鎌倉に来る前の最後の恋の相手、別れの理由を明かさないまま姿を消した年下の元彼が転がり込んできて、とうとう残酷な別れの理由が明かされます。それでも彼を受け入れ、脚本家志望の彼をプロデューサーとして、友人として「男らしく」受け入れる。それに対して、元彼が「女でしょ?」と、まともでつまらないツッコミで返してくるのも面白い。
年齢とともに求められる役割も変化してきて、それを潔く受け入れる千明がかっこいい。トラブルでもなんでも、いろんなことを受け入れて面白がれるところが気持ちいいし素敵。そんなかっこよさに、和平も惹かれているんでしょうね。
元気をくれる名言集
「続・続・最後から二番目の恋」より

1話の千明のモノローグの続き。「…でもこうも思うのだ…それを一緒に笑って、ネタにして、共に生きる人がいれば。それならばなんとか乗り切れるんじゃないかなと。」に続く言葉。

1話の冒頭、約1年後に定年退職を控えた人たちを対象とした職場のセミナーで「豊かなセカンドライフを生きるヒントを見つけていきましょう!」という講師の発言に対して、自嘲的な千明の言葉。

1話の千明のモノローグより。「寂しくない大人なんていない」というフレーズは、シリーズ1作目から使われているが、最新作では還暦を間近に迎え、さらに実感のこもった言葉に。
ドラマの大ファン!イラストレーター・五月女ケイ子さんかく語りきpt.2
2024年のNHK BSドラマ『団地のふたり』でも50代のリアルな独身女性を演じていた小泉さん。59歳になった千明がどうなっているのかすごく楽しみにしていたんですが、おしゃれにちゃんと綺麗に年齢を重ねていく、変わらずかっこいい千明のままでうれしくなりました。第1期、第2期に比べると丸くなったというかカドが取れたようにも感じました。
11年たっても同じ世界線が続いていて登場人物も同じ、鎌倉が舞台なのも同じだしBGMも同じ、だからこそ変化がすごくわかりやすいですよね。

第1話、おなじみ長倉家揃っての朝食シーン。和平がプレゼントした還暦までの日めくりカレンダーをめくっているかを千明に確認するのですが、グチグチと応酬する千明の長台詞が最高。テンポの良い掛け合いは、もはや長年連れそった夫婦のよう。これからどんな名言が生まれていくのか楽しみです。
五月女ケイ子/そおとめ・けいこ
独自の世界観とインパクトあるイラストで雑誌、装丁、広告など幅広いジャンルで活躍。『乙女のサバイバル手帖』(平凡社)、『桃太郎、エステに行く』(東京ニュース通信社)など著書多数。
『クウネル』2025年7月号掲載 イラスト/五月女ケイコ、取材・文/吾妻枝里子
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