収納の達人の棚をまるっと拝見!とにかく「見える化」がスムーズです。一級建築士 田中ナオミさんのお片付けルール

40年間、個人住宅を手掛けてきた住宅設計者であり、「生活を積極的に楽しむこと」がモットーの一級建築士、田中ナオミさん。考えずにできる住まいワザを披露した著書『60歳からの暮らしがラクになる住まいの作り方: がんばらないでムダをなくす「片づく」家事と収納の知恵袋』(主婦と生活社)は、大掃除や片付けを考えたいこの時期にぴったりの一冊です。

第1回目は、片付く家の基本「見える化」についてご紹介。

片付く収納の基本は「見える化」

クローゼットの中でもシャツなどの棚は奥行きを浅くすることで、アイテムごとに畳んで重ねても一目瞭然です。

隠すように押し込んだだけの収納は、探す手間や片づける手数が増えて「面倒くさい」の原因になります。「見えない=使わなくなる」ため、眠ったものも増え続けます。そんな悪循環を断ち切るために、「見える収納」を意識しましょう。何がどこにあるか一目瞭然にするのが理想です。

\「見える化」の利点/
・重複買いを防げる
・ものの量を把握できる
・出し入れしやすい
・探す手間が省ける

キッチンの棚。形が不ぞろいで収納しにくいものは中が見える網ラックへ。

家族も把握しやすい etc

実のところ、収納は扉がないほうが使いやすくて効率的。使用頻度の高いものこそ、オープン棚での収納や出しっ放し収納がおすすめです。

どこに何があるかひと目でわかれば探す必要がなく、パッと手に取れてもとに戻すのもラク。常にものが丸見えなので整頓の意識が高まるうえ、リアルな物量も把握できてものが増えにくくなる。収納のいい循環が生まれます。

キッチンのシンク下は扉を外したオープン棚。毎日使う鍋類やざる、ボウルを出し入れしやすく配置。洗ったあとに片づけやすいのも利点で、そのうえ湿気がこもらないのもよいのです。

扉がある収納の場合は、扉の中を一目瞭然に。扉を開けて中を見渡せるようにしておくとスムーズです。

タオルやパジャマも積み重ねず、棚幅に合わせて畳んで立てることで、パッと引き出して使えます。右端から順に使うと決めているので、洗ったものは左端へ。これで経年劣化が均一になります。

よく棚全体をボックスできっちり仕切る収納を見かけますが、一見すっきり見えているようで、①扉を開ける②箱を引き出す③ものを探して取る④箱を戻す⑤扉を閉める、と手数が何倍にもなるので実は上級者向けです。箱の中身を把握していないと、奥から「こんなの持ってた」という忘却物が出 てくることも。扉があってもなくても「見える」ことが大切です。

トイレの収納はオープン棚。トイレットペーパーの在庫がひと目でわかります。

詳しくは発売中の本書を

『60歳からの暮らしがラクになる住まいの作り方: がんばらないでムダをなくす「片づく」家事と収納の知恵袋』(主婦と生活社)

片づけの目的は、きれいにすることではなく、自分の時間をもっとラクしてつくるため。一級建築士として住み手を笑顔にする住宅を一筋に手がける田中ナオミさんが、暮らしがラクになる住まいの作り方を提案!

60歳からの暮らしがラクになる住まいの作り方: がんばらないでムダをなくす「片づく」家事と収納の知恵袋』(主婦と生活社)

※本記事は『60歳からの暮らしがラクになる住まいの作り方: がんばらないでムダをなくす「片づく」家事と収納の知恵袋』(主婦と生活社)からの抜粋です。

撮影  鈴木真貴/編集・執筆  岩越千帆(smile editors)

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