猫と民藝、自然の造形美を大切に。将来を見据えたもの選びー深本南さん【住まいと暮らしvol.82】

深本南さん ダイニングテーブル

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回のヴェルヌ華子さんのバトンを受けてご登場いただくのは、社会起業家の深本南さん

深本さんの暮らしのルール

1. 猫が幸せであること
2. 買いものは、愛とストーリーのあるものを
3. 家に置くものは、土に還るものか誰かに受け継げるものに

深本南さん プロフィール

幼少期を海外で過ごしたという深本さん。

「日本人としてのアイデンティティを問われる機会が多く、年齢を重ねるごとに自然と、日本の食文化や手仕事に惹かれるようになりました。日本人が古くから育んできた“もったいない”の精神から生まれた文化は、現代においても世界最先端の合理性を備えていると感じます。地球や動植物、人に優しい生き方を追求した先に、都会の中でも自然を感じることができる環境を選び、現在は季節の移り変わりを楽しみながら東京で暮らしています」

深本南さん キッチンの切り花

キッチンには質素で素朴な、野花のような切り花を。「さまざまな花器に活け、都会の住みながら自然の中にいるような感覚になれます」

猫と暮らす深本さんは、“猫ファースト”で物件を探したのだそう。

「土で寝転んだり、日光を存分に浴びられる、庭付きの家に住んでいます。家の中は、太陽の動きとともに移動する猫のための寝床を何ヶ所も作りました」

深本南さん リビング

リビングには1970年代製の天童木工「ペリカンチェア」に、蝦夷鹿の毛皮を置いて。「ここに座るとモンステラに囲まれ、都会にいながらジャングルの中にいる気分に浸れるので、お気に入りです」

インテリアには、すべて誰かに受け継ぐことができる、価値のあるものや土に還るものを基準に選んでいるそう。

「家具はヴィンテージ、キッチン道具は燕三条や越前へ、職人さんを訪ねて購入。食材や日用品なども、知り合い3人くらいで生産者にたどり着けるものを選んで、買うようにしています。愛とストーリーのあるものは、動物や人、地球軸で何かを犠牲に搾取したものに加担することなくサステナブルな選択ができるので、とことんこだわって買いものをします」

深本南さん ガラスの瓶

季節の手仕事で、仕込んだ梅酢や柿酢を保存できる蓋付きの瓶を収集。「手前には森で収穫した、“和製アーモンド”と呼ばれる榧(カヤ)の実をおやつ用に」

大学在学中に環境団体を共同設立。エシカルな情報を発信するメディア「ELEMINIST」を立ち上げたほか、環境問題について幅広く活動する深本さん。

「いずれは自然豊かな土地へ移住し、食を自給するミニマムな生活を目指しています。現在の住まいも、その未来を見据えてのもの選びを心がけています」

深本南さん かご

無類のかご好きだという深本さん。「世界各地で手に入れた、植物で編まれたかご。その手仕事の美しさは世界共通の造形美です」

深本南さん 玄関の日本民藝館のポスター

大きな土間の玄関。「重厚な木材の額縁には、日本民藝館で開催されている最新の展示ポスターを飾っています」

深本南さん 玄関のウッドボウル

金沢の「cazahana」で購入したという、ヴィンテージのスポルテッドウッドボウル。「帰宅後すぐに、財布や鍵をここへ入れるのが習慣。ものを探す時間を省けます」

深本南さん 玄関に飾った作品

ハタノワタルさんの「森と海の地平線」をテーマにした作品と、名取敏雄さんの染絵額は、来客を迎える空間に。

深本南さん ダイニングテーブル

「Swanky Systems」で購入した、ブラジリアンローズウッドのエクステンションダイニングテーブル。最大10名まで着席が可能。

深本南さん Yチェア

「Yチェア」をはじめとする、北欧ヴィンテージの椅子。「日本の手仕事である、『倉敷ノッティング』との相性が良いので敷いています。猫の爪研ぎを防止にも」

深本南さん 天然のきのことキハダの実

1年の半分を地方での旅に充て、各地の珍しい旬の食材を買って帰るという深本さん。「この日は猟師から届いた天然のきのこと、旅する料理人から譲り受けたキハダの実。それらの素材をどのように料理するか、創造力が試される日々を楽しんでいます」

深本南さん ピーターアイヴィーのガラスポット

米、自家製の梅干し、味噌は、それぞれ適した保存容器へ。「右端にある沖縄の古村其飯さんによる発酵甕は、腸活には欠かせない道具です」

深本南さん 箸置き

「外食よりも、自宅に友人たちを招いての食事が好き。森、川、海をテーマに、集めてきた箸置きをゲストに選んでもらい、食卓を囲みます」

深本南さん コーヒーポットとキャニスター

左から、中里花子さんのコーヒーポットと、仙台「光原社」で購入したという桜の木のキャニスター。「作家の作品と民藝、手仕事は、空間に調和します」

深本南さん シャンプー&コンディショナー

日本にビオホテル認証を普及させた中石さんが開発した、クリーンビューティーなシャンプーとコンディショナー。「タオルは、薄手ながら高い吸水性と速乾性を備えた、『TSUBAME TOWEL』のコットンタオルを選びました」

深本南さん ロエベのハンドソープ

「猫がいるとアロマを楽しめる機会が少ないので、『Kruhi』のメイク落としと、『LOEWE』のハンドソープをつかう時間は至福のひとときです。

深本南さん 時計とアクセサリー

よく使うジュエリーや時計は、すぐに取り出せるようにウッドの器に置いて。

深本南さん 流木のお香立て

海で拾った流木をお香立に。「自然の造形美に勝るものはありません。家には、貝殻や石など自然のものをそこら中に飾っています」

深本南さん ジビエのカレーとキッチンタオル

エシカルな食器用石鹸、速乾性に優れたキッチンタオル、猟師さんのジビエをオリジナルラベルで展開するなど、自社ブランド『eleventh hour』で取り扱う商品は1年以上検証してから販売。「気が遠くなりますが、納得いくまで追求していきます」

 profile

深本南/ふかもとみなみ

ELEMINIST、eleventh hour 創設者、一般社団法人「生きるは食べる」共同代表理事。10歳で環境活動家を志し、大学在学中の2002年に環境団体を共同設立。ビジネスを通じた社会貢献を追求するため、2004年にファッション業界へ転身する。ラグジュアリーブランドのECコンサルティング、事業部長、クリエイティブ室室長などを歴任。2020年、サステナブルな暮らしをガイドするメディア「ELEMINIST(エレミニスト)」を創設。2023年には株式会社UPDATERエグゼクティブアドバイザーに就任し、オーストラリア発のエシカル評価機関「Good On You」の日本版「Shift C(シフトシー)」の展開に携わる。現在はサステナビリティ業界の企業顧問やコンサルティングなど幅広く活動。2026年5月開催の、柴咲コウ氏がプロデュースする「SUSTAINABLE BEAUTY FES」にてサステナブルプロデューサーを務める。また、一般社団法人「生きるは食べる」共同代表理事として、日本の食文化や伝統を普及する事業を推進していく。

Instagram@minami.fukamoto/
Instagram@eleventhhour.jp/
https://shop.eleventhhour.jp/

深本さんがバトンを渡すのは、編集・ライターの藤井志織さん。「編集者という枠を超えた表現力に、ひとりの友人として深く惹かれています。彼女が活けるお花や手料理には、その手から丁寧につむぎ出される愛情が宿っており、見る人の心をポッと温めてくれると同時に、笑いのセンスも合わさって笑顔にさせてくれます。日々の暮らしに大切な視点を運んでくれる存在です」と深本さん。藤井さんの暮らしは、4月下旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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