約80㎡のフロアを仕切りのないワンルームにリノベーション/後編。古家具をインダストリアルな什器と組み合わせ

引田舞の家

家は住む人を守り、心をなごませる大切な容れ物です。心からのくつろぎを求めて家をつくった人たちに、その住み心地を聞いてみました。店舗などのインテリアデザイン、ディレクションを手がける『CIRCUS』を運営する鈴木善雄さん、引田舞さん夫妻の家です。

約80㎡のフロアを仕切りのないワンルームにリノベーション/前編。キッチンも寝室もすべてがひとつながりの家からの続きです。

鈴木さんが運営していた飲食店で使っていた古いたんすや引き出しにインダストリアルな什器を組み合わせたキッチン。部屋の中央にはやはり工場などで使われていたと思われる大ぶりな作業机。国内外のアンティークの生活用品やフォークアートを買い付け、店舗などをプロデュースする夫婦ならではの目線で選ばれたものたちが空間になじんでいます。

引田舞の家

今日はちょっと風邪気味の長女。ベッドルーム前の仕切りのシェルフには、アート作品や、子どもが作ったゴジラのオブジェ、公園や道端で見つけてきた石や木の実が並んで。奥の壁は、洋服などを収納するクローゼットの扉だ。

「このテーブルで食事もするし、子どもが宿題をしたり、夫が仕事のパソコンを開いていたり。みんな別々のことをしているんだけれど、なんとなくいつも家族が一緒にいるっていう空気感がすごくいいんです」と引田さん。

さまざまな植物がすくすく育つサンルームもこの家の大切な顔。テーブルを出してご飯を食べたり、お茶を淹れて一息ついたり。

引田舞の家の棚

日本の古いたんすをキッチンに組み込んで。保存容器などの収納にぴったり。

引田舞の家の引き出し

中央のテーブルには大きな4つの引き出しがあり、カトラリーや日用品以外に、引田さんのメイク道具も収納。朝のメイクもこのテーブルで。

「コロナ禍で外出ができなかったときも、このスペースが家族の気持ちを和ませてくれました。コンポストもあって、生ごみや揚げ油の処理がらくらく」

サンルームに注ぐ光、開放的なワンルームを抜けていく風。そんな自然の恵みを感じながらの4人家族の暮らしです。

引田舞の家

薪ストーブの火のつけ方を9歳の息子に夫が教えて、「ずいぶん上手に火をつけられるようになりました」。

引田舞の家

来客も多く、友人と一緒に調理をするにも動きやすいキッチンだ。リノベ時に「ここは収納でつぶさないで」と妻が主張した西向きの窓。遠く丹沢の山並みが見え、夕焼けの空の変化も楽しめる。

引田舞の家の間取り図

母である「ギャラリーフェブ」オーナーの引田かおりさん譲りの整理整頓上手の舞さん。コンパクトな空間ながら、見せるところと、収納して隠すところをセンスよく使い分けて暮らす工夫が随所に。

PROFILE

引田舞と鈴木善雄

引田舞/ひきた・まい、鈴木善雄/すずき・よしお

店舗などのインテリアデザイン、ディレクションを手がける『CIRCUS』を運営。家具や陶芸作品などの買い付けで各地を回り、民芸からモダンアートまで幅広くものを見つめる。東京・新木場と兜町のインテリアなどの複合施設『CASICA』をディレクションしている。

写真/加藤新作、取材・文/船山直子

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