器はシンプルなものを選ぶことが多いと語る門倉多仁亜さん。ご自身のハーブティーの楽しみ方とお茶の時間のこだわりについて教えてもらいました。
友達を招いてのごはん会や主宰する料理教室の試食の後、門倉多仁亜さんがよく飲むのは、シンプルなハーブティー。母親の母国であるドイツはコーヒー文化の国ですが、食後や眠る前にはハーブのお茶を楽しみます。
今日のお茶はミント2パックをガラスのポットに入れて、熱湯を注いだだけのシンプルなものですが、香り高く、淡いグリーンの色合いもきれい。
そして使っているそれぞれ柄の違うカップがテーブルに華やぎをプラスしています。これ、200年前くらいのイギリスのアンティークで、「スタッフォードシャー」という有名な陶器の産地のものだとか。「器はシンプルなものを選ぶことが多いけれど、ちょっとかわいいものがあるのも好き。20代のころから、骨董市などでこつこつ集めてきました」
使っているうちにヒビが入ってしまったものは金継ぎをしてもらって、大切に使っています。手作りガレットと柑橘のピールをお供に、門倉さんのテーブルには温かな時間が流れています。
門倉多仁亜/かどくらたにあ
料理研究家
父母の母国・日本とドイツ、海外での経験に根差した料理を紹介。著書に「タニアのドイツ流、心地いい暮らしの整理術」(三笠書房)
『ku:nel』2020年7月号掲載
写真 森山祐子/取材・文 船山直子