パリの下町風情を体感できる!ムフタール通りからヘミングウェイが暮らした界隈へ

パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISの主宰・荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしをご紹介。10月は荻野さん担当。地元民に愛される、パリのムフタール通りの魅力を紹介してくれました。

先日、かなり久しぶりにムフタール通りを歩いたのですが、改めて素敵な場所だなぁと実感したので、ぜひクウネル・サロン読者のみなさんにご紹介したいと思います。

パリ左岸のカルチエ・ラタンに、4世紀にはすでにあったと言われているパリの中でも歴史の長い通りで、全長650メートルのゆるやかな坂道に、いろいろなお店が軒を連ねます。ケバブやクレープのように手軽に食べられるレストランのほか、八百屋さんやチーズ屋さん、ワイン屋さん、魚屋さん、ケーキ屋さん、パン屋さんなど、食品のお店が特に多く並んでいて、昔からグルメな通りとして地元のパリジャンたちに愛されています。

石畳に歴史を感じるムフタール通り。もうクリスマスのイルミネーションが設置されていました。

店頭に鉢植えの並ぶお花屋さんや、軒下にパニエが吊るされた雑貨屋さんなど、どこか古き良き時代のパリを思わせる個人商店も残っており、歩いていると懐かしさを覚えます。また、古い通りだけに、60番地にある17世紀の水飲み場や122番地の古い看板、134番地の1930年代の壁画など、歴史的なモニュメントも数々残っています。

カラフルな野菜や果物をいつも美しく並べている八百屋さん。芸術的センスがすごい!

今は少なくなった個人商店のドログリー。これからも変わらずこの通りにあり続けてほしいもの。

60番地の水飲み場。立派な石造りの大きなモニュメント。

122番地の古い看板。A LA BONNE SOURCEと書いてあるがなんのお店だったかは不明。

坂道をのぼりきったところにあるコントルスカルプ広場は、周りを囲うように数軒のカフェのテラス席が並ぶパリらしい場所。中央の噴水のそばで好き好きにくつろぐ人たちでにぎわいます。この広場から伸びているカルディナル・ルモワンヌ通りをくだってすぐ、74番地には、アメリカの作家ヘミングウェイが若かりし頃に住んでいたアパルトマンがあり、壁にはそのことを伝えるパネルが掲げられています。有名な観光スポットが多く並ぶ界隈ではありませんが、庶民的なパリの空気の中、あてもなくお散歩してみてはいかがでしょうか? (荻野雅代)

134番地の壁画。かつてお肉屋さんが客寄せのために描かせたもの。

コントルスカルプ広場。カフェのテラス席はいつも人でいっぱい。

1920年代、ヘミングウェイが暮らし、彼の回顧録『移動祝祭日』にも登場するアパルトマン。

青いスーツ姿が素敵なムッシュー。お散歩中のワンちゃんも可愛かった。

トリコロル・パリのパリガイドブックが発売になりました!

ぎゅっと旅するパリ 暮らすように過ごすパリ

人気サイト「TRICOLOR PARIS」を主宰する同名ユニットのおふたり(荻野雅代・桜井道子)が手がける、パリの最新ガイドです。フランス在住、そして20年以上、パリとフランスの観光情報を発信するふたりにとって、実に5年ぶりのガイドブック執筆。コロナ禍を経て変わった、新しいパリがたくさん詰まった一冊です。

■著者:トリコロル・パリ 荻野雅代 桜井道子
■定価:1,980円(税込)
■仕様:A5/160ページ/オールカラー
(世界文化社)

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撮影・文/荻野雅代

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トリコロル・パリ

荻野雅代さんと桜井道子さんのユニット。パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰。最新ニュースやカルチャー、旅行・観光情報をはじめ、さまざまな情報を発信している。初のエッセイ『フランスの小さくて温かな暮らし365日~大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』(自由国民社)は6万5000部のヒットに。
https://tricolorparis.com/

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