
餡子が入った熱々の和風スナックたちは、身体だけでなく気持ちも温かくしてくれる日本のソウルフード。ホクホク、ほかほかの出来立てを口に頬張る至福のひととき。毎日でも食べたい庶民の味の中から、一つ上の逸品揃いを紹介します。たい焼き編に続き今回は、「今川焼き」編です。
今川焼あずきや安堂

砂糖と水、塩だけで小豆の旨みを引き出した餡は、半年をかけ完成した自信作。冷めても美味しい生地も、小麦粉や卵の配合を独自に研究。ほかに白餡、うぐいす餡、クリームや期間限定の餡もあり。
今川焼 ¥140
【SHOP DATA】 東京都調布市布田1-36-10 / 042-455-1221 / 10:30~ 餡がなくなるまで / 無休
月島家

老舗商店街に昭和26年から店を構える名店で生地にも餡子にも黒糖を使う点が個性。親子3代にわたって変わらず、毎朝、仕込みます。「寿」の焼印が小倉餡でほかにチーズやカスタードクリームも。
今川焼 ¥160
【SHOP DATA】 東京都港区麻布十番2-3-1 / 03-3452-0991 / 11:30~18:00 / 火曜ほか臨時休業あり
ボンベイバザー

カレーなども人気のカフェが作る今川焼き。オーガニック小麦を使ったふんわり柔らかい薄皮の中に、十勝産小豆の粒餡がみっしり。餡はもう1種、長野県産の有機ブルーベリーもあってモダン。
オクラ焼き ¥300
【SHOP DATA】東京都渋谷区猿楽町20-11 B1 / 03-3461-8512 / 11:30~18:00 / 火曜定休
TRIVIA
今川焼き、回転焼き、大判焼きの違いは?
実はどれも同じ。呼び方が違うだけで、全国的には大判焼きが多く、回転焼きは主に近畿や九州。首都圏が今川焼きで、これは一説によると江戸時代、神田・今川橋付近の屋台で誕生した餡子菓子が広まったためという。
『ku:nel』2021年1月号掲載
写真 太田隆生 / 取材・文 田代 格 / 編集 友永文博 / 撮影協力 UTUWA