暑すぎる日本の夏、海辺に暮らす作家・甘糟りり子さんが見つけたおしゃれの正解と最近買ったもの

60歳になったばかりという作家の甘糟りり子さん。50代では、少しモチベーションが下がり気味だったおしゃれと美容ですが、今一度がっつり向き合ってみようとリスタートを切りました。(→参照:そろそろ、いや再びおしゃれと美容に向き合おうと決意した作家・甘糟りり子さんがときめいた買い物

「私らしいおしゃれは?」「楽しく続けられる美容は?」。いまの自分に最適なおしゃれと美容を模索する様を綴ります。今回は夏の「かぶりもの」について。

「暑苦しくない」が夏のおしゃれの鉄則

ついに昨日、普段履いているジーパン、おっと間違えたデニムをすべて洗って干しました。当分の間暑くて履けませんからね。7月8月はライフスタイルが大きく変わる私。東京には極力行かず、ほとんど地元の鎌倉で過ごします。よって足元はビーサン(たまにビルケン)、バッグはカゴ。ファンデーションともしばしのお別れ。何しろトップクラスの汗かきなもので。

服はかぶって終わりのワンピースか、百歩譲ってオールインワンの毎日です。気温が28度超えたらブラジャー要らずでウエストがフリーな状態の服しか着たくない。というか、もはや着れないんです。だって暑すぎるんだもん、日本の夏!!
夏は暑苦しくないことがおしゃれの鉄則だと思ってます。そして、手抜きではない抜け感が大切。はい、すぐ手抜きになりがちな私は自戒を込めて書きました。抜け感というか、何事にもドレスダウンは私の永遠のテーマなもので。

麻は着る人をしゃきっとさせてくれる

今年の夏、いの一番に麻のワンピースを買いました。
友人の関戸智美さんが手掛けている 『edit & co. 』の「Dress Me」のシリーズ。大袈裟すぎないAラインで、ロング丈。一見なんてことはないのだけれど、後ろの大きなボウがアクセントになっていて、シルエットがきれいです。←やっぱり大人にはここ大事。私は麻の着心地が好き。だらけがちな私をしゃきっとさせてくれ、そして甘やかしてくれるから。今年買った黒のカゴバッグとばっちり合います。

カゴバッグは『メゾン エヌ アッシュ パリ』のもの。大人っぽさとかわいさが共存していて一目で気に入りました。大のカゴ好きとしては冬にもかっこよくカゴを持ちたいと思っていて、これならそれが叶いそうです。パリ在住の日本人女性二人によるブランドとのこと。

昨年までの私なら黒のワンピースにはビーサンやサンダルも黒にしていたはずなのですが、今年はサンド色を合わせるのがなんとなく気分。黒のコーディネートの足だけ色をずらすのがマイブームです。これもドレスダウンの一つかと。

このワンピースは白もあって、こちらも買おうと思っております。白には大ぶりのゴールドのバングルをしようかな、ビーサンは白がいいかも、カゴバッグはどれを選ぶか、買う前からわくわくして、これこそファッションの楽しみ。

色違いのワンピースと運命のオールインワン

夏のワンピースは気に入ったら色違いで何着も買っちゃいます。
一昨年は『COS』のワンピースを黒、白、茶色の三色大人買い。黒と茶色はサイズ違いでも買い足しました。ラフにする時とスーパーラフにする時のために。誰にもわからなくても、私なりの加減てものがラフさにだってあるんです。Tシャツの裾を長くしたシンプルなデザインですが、スリットが大胆に入っているので事務的にはなりません。

同じ頃、ネットサーフィンをしていて見つけたのは『COGTFEBIGSMOKE(コグザビッグスモーク)』というブランドのオールインワン。これが私的に大ヒットでした。イギリス在住の日本女性のデザイナーが手掛ております。

トップスは肩が少し隠れるぐらいのノースリーブで、ボトムスはボリュームたっぷりのパンタロン。それが一つに繋がっている。一見ロングスカートに見えて、歩くと雑な私でもエレガントなふりができます。黒と迷ってチャコールグレーを選びました。地厚のコットンのように見えますがペットボトルなどをリサイクルした素材で、色落ちしないそう。

背中がぱっくり割れているので、差し色的にタンクトップを着ればブラジャーは不要です。ウエストがリボンで調節できるようになっていて、絞らないとモードっぽく、絞ればドレッシーに着こなせます。

小物さえちゃんとしておけばサマになるので、迷うとつい手が伸びちゃう。163センチの私がビーサンだと床すれすれ(というか、もはや引きずるぐらい)でしたが、気にせずそこらじゅうを掃除しながら着ております。ボトムスのボリューム感がこの服のキモだと思うので。まあね、トイレの時だけ入る前に持ち上げてましたけれど。夏の終わりにカーキがセールになっていたのでそれも即買い。翌年の夏も同じタイプがあったので、パープルを買いました。黒なら真夏の冠婚葬祭もこれでいけると思ったのですが、黒はさっさと売り切れてました。あー、買っておけば良かった!!!

昨年の夏の写真を見てみると、このオールインワンのチャコールグレイ、カーキ、パープルの無限ループでした。インナーはユニクロのエアリズムの黒。もちろんノーブラ。

かつておしゃれはやせ我慢と共にあると信じていた頃がありました。若かったなあ。笑 いい大人になった今、だらしなくならずに自分を解放してくれる服が最高におしゃれだと思うようになりました。

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プレミアムメンバー

甘糟りり子

1964年生まれ。幼少より草花に囲まれた鎌倉の家に暮らす。『産まなくても、産めなくても』、『産む、産まない、産めない』(ともに講談社文庫)など、出産にまつわる物語が多くの女性の支持を得ている。『鎌倉の家』(河出書房新社)や『鎌倉だから、おいしい。』(集英社)などでは、鎌倉での暮らしの魅力と愛情を綴っている。その他著書として『バブル、盆に返らず』(光文社)も。
Instagram:@ririkong

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