「旅するアジアごはんのなかで、タイほどおいしい国はないのです。旅すればするほど、新しい味に出会う。甘くて、すっぱくて、辛い味、フレッシュなハーブの香りのタイ料理の味」。そう話すのは、高知の山のてっぺんで暮らす布作家の早川ユミさん。
コロナの前は毎年アジアを中心にヨーロッパなど世界各国を旅してきました。現在好評発売中の著書『畑ごはんーちいさな種とつながる台所ー』(文化出版局)から、そんな旅ごはんの数々をレシピと一緒にご紹介します。
暑い夏に食べたい
ビリヤニとヤムウンセン
「アジアの旅のさいしょにたべるのは、ビールにあういかのヤムウンセン。暑さのなかで、汗をかきながらたべるおいしさ。辛いので、おなかがつかれてしまったら、ビリヤニの屋台をさがします。もともとビリヤニは、インドやパキスタン南アジアのイスラムごはんです」
「ところが、タイの首都バンコクの宿屋街にはイスラム教の人が多く住むエリアがあります。近くの市場や屋台には、かならずあるごはんがビリヤニです。直径1mほどの大鍋でつくられています。タイ人も大好き。タイではめずらしくカレー味。わが家では、子どもたちも大好きなので、家でもよくつくります」
甘くて、すっぱくて、辛くておいしい。それがタイの味
「さいしょにたべたときに目がはーっと覚めるほどの味でした。甘くて、すっぱくて、辛くておいしい。チャオプラヤー河沿のレストレランで、ビールシンハやビアラオをのむときに注文すると、火をふくほどの辛さです」
具材は、いか、エビなど海鮮。または、鶏肉、豚ミンチなど。なんでも合います。ナンプラーとパクチーと唐辛子味とレモンがあるとおいしく仕上がります。食べる前に混ぜるのがコツだとか。
recipe
いかのヤムウンセン
●材料(4人分)
春雨 …150g
いか …100g
きくらげ …… 適量
赤玉ねぎ … 中1個
パプリカ …1個
セロリ …1/2本
パクチー …1/2束(なければセロリの葉)
ナムプリック(※)… 大さじ5
粒こしょう … 小さじ1
ナンプラー … 少々
レモン …1/4個
※ナンプラーと酢とみりん 2:2:1ほどと砂糖、唐辛子を混ぜてつくったもの
●作り方
1)春雨はゆがいてざるに上げ、水にさらし、食べやすい長さに切る。いかはワタと骨を取り除いて熱湯でさっとゆがき、白くなったら取り出す。きくらげは水でもどしておく。
2)赤玉ねぎはくし形切り、パプリカは細切り、セロリはすじを取って4㎝長さに斜めに切る。パクチーはざく切りにする。
3) レモン以外のすべての材料を混ぜ合わせ、ナンプラーで味を調えて皿に盛る。仕上げにレモンを絞りながらまわしかける。
●メモ
いかの種類はお好みで。いかの代わりに干しえびを水でもどして入れてもおいしいです。つくりおきはおいしくないので、食べる直前にあえるのがポイント。
yumi’s voice
早川ユミさんの〈旅ごはん 〉 いかがでしたか? 意外にも、タイ料理の名物のひとつにビリヤニが登場しました。つけあわせは、きゅうりととうがらしの酢漬けが定番。そんな野菜のほとんどが自家栽培で、毎日のごはんにづくりに力をくれているそう。詳しく知りたい方は、『畑ごはん ちいさな種とつながる台所』(文化出版局)をご覧ください。次回はいよいよ最終回、早川ユミさんに無理なく楽しむサステナブルな暮らし方や、ものづくり、旅のことについてなどをお伺いします。
詳しく知りたい方は、『畑ごはんーちいさな種とつながる台所ー』(文化出版局)をご覧ください。
早川ユミ/はやかわゆみ
アジアなどの布で手縫いの衣服をつくり、全国各地で展覧会をひらいている。夫の陶芸家の小野哲平の薪の窯たきを手伝ったり、種まき、木を植える。
『くらしがしごと土着のフォークロア(天然生活の本)』(扶桑社)、『早川ユミのちくちく服つくり』アノニマ・スタジオ、『からだのーと』自然食通信社など著書多数。http://www.une-une.com/
Instagram:@yumi_hayakawa24
youtube:種まきびとチャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCBWw-ZHX55asQr9wQOprkiA
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『畑ごはんーちいさな種とつながる台所ー』(文化出版局)
料理/早川ユミ、写真/きょう・よく&新居明子、レシピ原稿/山形恭子、構成/鈴木理恵