わざわざ食べに行きたい沖縄グルメ。沖縄食材にこだわったフレンチと外国客も訪れるおばぁの農家レストラン

力強い大地からの食材をいただく料理も沖縄旅の魅力のひとつ。わざわざ訪れたい厳選の2店をご紹介します。
沖縄の生産者の仕事を味で伝えたい。
spot1/モヴェズ エルブ
シェフ小島圭史さんの沖縄でのスタートは出張料理人。2021年にカウンターレストランをオープンしてからは、県外からもフーディたちがわざわざ訪れる店となった『モヴェズ エルブ』。沖縄食材へのこだわりは生半可ではありません。

地元宮城ファームのくいまーる豚や有害鳥獣類のシロガシラ(ヒヨドリの一種)を骨や内臓ごと叩いてミンチにしたパテ・アンクルート。写真はおまかせコース料理の中の一例。
「東京、パリ、マルセイユで修行し、沖縄ではおかげさまで素晴らしい生産者さんとの繋がりができました」
小島さんの仕入れは独得。漁師と船に乗り、猟師とは山へ。彼らが獲った素材をその場で捌くのです。さらに秘密の場所で野草も摘むのだと。
「僕の仕事は生産者の方々から預かった素材を周りの方に伝えること」
発酵や燻製など、料理人の工夫を加えてフレンチのひと皿に仕立てるのが、小島さんの仕事なのだとか。

果てしない手間と工夫が加えられた小島さんの料理は、1日1組、最大8名まで。
モヴェズ エルブ
住:うるま市石川(所在地は予約成立後に)
営:ご相談
料理は22,000円のコース(1名)、貸切5〜9名の場合16,500円、もしくは22,000円、ドリンクはアルコール、ノンアルコールともにおまかせ4種6,600円、6〜7種11,000円がある。予約はHPから。
おばぁの知恵を後世に伝える料理を。
spot2/笑味の店
一方ご長寿村で有名な大宜味村の農家レストラン『笑味の店』も連日大賑わい。客の半分以上が外国人。

季節の島野菜の生命力を存分に活かしたランチプレート、まかちくみそーれ(おまかせくださいの意味)2,800円。ジューシーや玄米のおにぎり、ラフテーやゴーヤーイリチー、もずくなどにサーターアンダギーもついて。
「目の前の畑で育てた野菜を調理していただくという、当たり前のことをしているだけ。だって昔は自分で育てなければ、何も食べられなかったんだから。生命の源は食です」
と店主の金城笑子さん。

店の前の畑でカゴいっぱいにフーチバー(ヨモギ)やハンダマを刈り取る笑子さん。
畑ではイーチョバー、フーチバー、ハンダマが土を覆い隠すほど育っています。
「長生きできる食事にせっかく気づいたんだから、次世代にも繋げたい。私が周りのおばぁたちから受け継いだものを確実に手渡さなきゃと思って店を続けています」

営業は週末をはさんで4日のみ。農家レストラン『笑味の店』の入り口。

シークヮーサームーチー(餅)1個260円。デザートは他に沖縄ぜんざいなども。
笑味の店
住:国頭郡大宜味村字大兼久61
電:098-044-3220
営:9:00〜17:00(食事は完全予約制で11:30〜L.O.15:00)
休:火曜・水曜・木曜
沖縄行きが決まったら、まずはこの2軒に予約を入れて。沖縄の一期一会の食を存分に楽しんでほしい。
写真/G-KEN、取材・文/今井 恵
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