賃貸暮らしから猫ファーストの理想の戸建てを実現。東京だったら叶わなかった160㎡の広さを福岡で

暮らしを営む空間の変化や住んでいる環境の変化からは、意外なものが見え、気づきもあります。少し前に東京から福岡へと住み替えたmaaさんの実例を紹介します。
人も猫ものびのび暮らす、こだわりの注文住宅。
夫と2匹の猫と都内の賃貸住宅に住みながら、長年理想の戸建て建築を模索していたというmaaさん。想定外だった地元福岡への移住を考え始めたのは、コロナ禍のリモートワークがきっかけ。「都内だと鉛筆みたいな家しか建てられないけど、福岡なら同じ予算で理想の家が実現できる。リモートワークが定着したことで選択肢が広がりました」

maaさんと夫の理想を詰め込んだ、住友林業の注文住宅。 猫部屋の正方形の窓からは、帰りを待つ猫たちと目が合うことも。
土地探しは地元の不動産業者とオンラインで、デザインや内装の打ち合わせは都内のショールームで、と効率よく進められたのも大手ハウスメーカーの住友林業を選んだメリットのひとつ。人も猫ものびのび暮らせる理想の新居が完成し、約3年前に福岡に移住しました。

〈フレックスフォルム〉の家具で統一した2階のリビング。壁のタイルは住友林業と平田タイルが共同開発した「アンティグラン」。

同じタイル材を使用しリビングとの一体感を意識したバルコニー。猫たちも安心して遊べるように壁を高く設計している。

ウォルナット材の壁面収納とコンロスペースの黒壁とのコントラストが美しいキッチンは〈アムスタイル〉。窓の ミニカウンターはキャットウォークとしても活躍。

主に来客用の和室。天井にはレッドシダーを貼り洋室との一体感を。「普段は猫たちの昼寝部屋になっています」。
「吹き抜けの階段、日当たりがよく広々としたLDK、十分な収納スペース。長年温めてきた希望がすべて叶いました。賃貸の時に感じていた『こうだったらいいのに』という日常のストレスがなくなり、家で過ごす時間が増えました」
猫専用のトイレ&プレイルーム、ドアには猫穴を設置するなど2匹の猫たちが快適&安全に暮らすための工夫も随所に。「夫はインテリアにあまりこだわりがなく、間取りや内装はほぼ私に任せてくれたのですが、“猫ファースト”という認識は夫婦共通。2階のキャットルームは、夫の書斎よりも広いんですよ」

猫たちが自由に出入りできるよう、2階の猫部屋と1階の寝室のドアには猫穴を設置。得意げに通り抜ける姿がたまらない。
福岡は空港が近く飛行機の便数も多いため、月に1、2回の東京出張もスムーズ。便利な地方都市生活を満喫しつつ、週末は愛車で九州の温泉&グルメを開拓するのが楽しみというmaaさん夫妻。「この家は半分猫のために建てたようなもの」と笑う夫はwebデザイン会社の代表。
東京に設立した会社を経営しながら福岡移住という思い切った決断をしたのは、漠然と“いつか”と思い描いていた理想の暮らしを、そろそろ実現しなければという決意があったといいます。「あのまま東京にいたらきっと、変わりばえしない生活を重ねていたんじゃないでしょうか。時間・体力・経済力のバランスがとれるようになった50代から新しい暮らしを始めることができ、満足しています」

日当たりのよいバルコニー前は猫たちのくつろぎスペース。〈エバゴス〉のスワン型バスケットはインテリアとしても素敵。
maaさん自宅の間取り図。

車庫からつながるストレージルーム、ウォークインクローゼット、パ ントリーなど収納スペースを贅沢に設けた約160平米の4LDK。
PROFILE
maa/まあ
2022年に地元福岡に家を新築し都内から移住。夫が代表を務めるweb制作会社を運営しながらInstagram:@maamiffで チ ン チ ラ の 兄弟猫との暮らしを発信している。
『クウネル』2025年5月号掲載 写真/玉井俊行、取材・文/吾妻枝里子、間取りイラスト/丹下京子
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