50代ビストロオーナーのリノベレポート/前編。メンズっぽい硬質な雰囲気にアンティーク家具をプラス

スタイルは違えど、自由さ、自分らしさが煌めく!大人ならではのひとり暮らしは楽しくて深遠です。
ひとりに丁度いい空間をセンスで心地よく。
築50年以上という都心のヴィンテージマンション、光がやさしく差し込む部屋で2匹の食いしん坊な保護猫とともに暮らしているオサキカオルさん。

愛猫と遊び和むひとときが大切。
「飲食店を始めてすぐ、通勤のたいへんさにギブアップして、店の近所にひとりで住むことにしたんです。たまたま夫の転勤も重なって、ひとり暮らしのスタートは必要に迫られた部分もあったのですが、職住一致でまずゆとりが生まれて」
夫と一緒に建てた一軒家から、賃貸マンションに移り自分だけの世界を築き始めると……。
「今度はもっと好きな空間を突き詰めて作りたい欲が湧いてきて、物件を探し始めたんです。自分でも運とご縁だったと思いますが、ほどなく間取り、広さ、建物のヴィンテージ感も立地も丁度いいここに出会いました。8年前くらいです」

キッチンエリア、業務用っぽいステンレスの質感とアンティークテイストの全体感の対比が面白い。
アンティーク建材を配した居心地いい空間設計・施工を気に入って、店のインテリアを任せたオフィス『DEN PLUS EGG』に新居のリノベーションも依頼。

クリーンな寝室にぴったり。『DEN PLUS EGG』で見つけたキャビネットを。
「元々が飽き性なのでシンプルに、メンズっぽい硬質な雰囲気でとオーダーしました。そこに温かみを感じるアンティークテーブルやソファを配置。住み続けるほどに味が出る空間をイメージして、入居後も2、3年は合う家具を少し増やして充実させていきました。満足いく空間で、ひとり暮らしをより自分らしく自由に研ぎ澄ませてこられたと思います」

蚤の市で買った食器など。「ときどきお店とトレード」。
部屋と廊下の間は、窓ありのドアで明るさや広がりをアップするなど、ひとりだからこそ、プライベート性より開放感を追求できたと言えそう。

リビング隅の収納には書類や本、オフシーズンの電化製品などを。収納内の片づけを意識でき、小窓が生きている。左は意外!?ぶら下がり健康器
オサキカオルさん自宅の間取り図。

約70平米の1LDK、築50年以上。絶妙な広さや3面の開口は都心ではなかなか貴重。収納部分も収納力を確保しつつ余計にものを増やさないでいられる設計に満足。
PROFILE
オサキカオル/おさき・かおる
ビストロ「コンカ」オーナー 54歳
食べ歩きと“猫”が趣味。飲食業の経験がないところから一念発起して、2015年に「コンカ」をオープンし日々フロアに立つ。Instagram:@konka_sendagaya
『クウネル』2025年5月号掲載 写真/木寺紀雄、取材・文/原 千香子、間取りイラスト/丹下京子
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