【祖母が暮らした家をリノベして大人のひとり暮らし/後編】参考にしたい階下に住む母との程よい距離感

スタイルは違えど、自由さ、自分らしさが煌めく!大人ならではのひとり暮らしは楽しくて深遠です。
【祖母が暮らした家をリノベして大人のひとり暮らし/前編】リビングはワインレッド、バスルームはブルーの壁色にからの続きです。
こだわりと根気で作り上げた住まいに愛着。
初のひとり暮らしにあたり、資料を集め考え抜き、ディレクションし尽くして「理想のスペース」を手にしたセリナさん。豪快、繊細なエピソードも満載です。
白にしようとしていた壁を途中で「弱いかも」とジャッジしてワインカラーに修正。英国調が基調だけれどオリエンタル調も好き。そんな趣味はご近所さんにも知られていたため、中国のアンティークキャビネットほかを譲り受けたり。また照明など祖母から受け継いだものを生かした上に、通販や『IKEA』、知り合いからとさまざまな手段でを揃えました。

寝室のキャビネットは学生時代、目黒のアンティーク店のセールで購入。「このイメージを基にして家具に統一感を」。ベッドは『IKEA』。
「統一感を外さなければ出自はあまり関係ないかも。ペイントや工夫である程度調整できるので。家のことを考えるのも家自体も好きなので、すべて苦じゃないんです。実際、仕事もそうですし家で過ごす時間が長くて」。
クロスステッチ、ピアノ、収納やDIY作業など家で没頭していたいこともたくさん。「ひとり暮らしになって、さらに趣味の時間を増やせたのも幸せのひとつです」
また、クウネル世代が気になる暮らし方のひとつの理想。母娘の、近いけどそれぞれがひとり暮らし、というスタイルも注目です。
「1週間会わないこともありますが、安心感はありますね。朝はよくスムージーを作ってもらいます。秘密のつるべをつけて下から受け取るんです」。
楽しい関係ですね。そして掃除や整理を促されることもなく、セリナさん宅はぴかぴかでクリーンなのにも感服。

母ヒロコさんが下の階から訪れダイニングでティータイム。後方には非常口の目隠しにしたドアデザイン。祖母の古伊万里コレクションの棚も。
三木セリナさん自宅の間取り図。

築50年ほど。長らく祖母が暮らしたマンションの部屋を引き継いで守る形で暮らす。バルコニーの間口が広く明るい。ゆったりした2LDKのスペース内に収納も充実している。
PROFILE
三木セリナ/みき・せりな
Webデザイナー 55歳
横浜で生まれ育つ。建築家になる夢もあったがデザインの世界へ進む。30代で3年近くアメリカに滞在した後は代理店勤務を経て、今はフリーとしてweb中心に活躍。
『クウネル』2025年5月号掲載 写真/木寺紀雄、取材・文/原 千香子、間取りイラスト/丹下京子
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