アーティスト片山優子さんの1泊2日の博多・唐津旅。唐津焼やデザインホテルなど、アートな旅を堪能!
アーティストの片山優子さんが、1泊2日で博多・唐津へ。今回の旅の目的は、料理家・食空間演出家の大塚瞳さんを訪れること。表現者である片山さんならではのアーティスティックな旅をレポートいただきます。
10月13日、14日で、15年ぶりくらいに博多を訪れました。とっても濃厚で、五感で堪能できる2日間を過ごしたので、感じるままに書いてみます。
出発日から数日前の食事会のとき。友人の松中美紀さんから、「今度の日曜日から博多行くけれど、一緒にどうですか?」とお誘い。「行く、行きたい!」と即答の私。
即答の理由は、美紀ちゃんと一緒に旅ができること。そして博多に行く目的を聞いたら、料理家・食空間演出家の大塚瞳さんに会いに行くことだそう。さらに、宿泊するホテルが以前から気になってた『HOTEL IL PALAZZO』だと聞いて、断る理由はありませんでした!
食空間演出家・大塚瞳さんのアトリエへ
まず初日。新幹線を博多で降りてホームを変えると、ミニチュアみたいな電車をたくさん見れて少し興奮。そして旅が始まる!
そして、大塚瞳さんのプライベートな空間であるアトリエへ。70年ほど前に建てられた日本建築のお屋敷でのランチのお誘い。
百日紅の花が終わりを告げているのを見ながら玄関を開けると、トラディショナルとモダンがいい塩梅で心地いい。
キッチンという表現がいいのか?お台所なのか?瞳さんがお料理している姿を見ながら、その姿までもしつらえになる。
きちんと「季節仕事」をされている瞳さん。出していただいた5年ものの奈良漬が美味しいこと、美味しいこと。毎年、瓜400本くらいを漬けるという。
それだけではなく、もちろん梅も柚子も山椒も。あげればキリがないくらい。
そして器の話もいっぱい聞いて、興味津々の私たち。
食事の後は、2階の茶室へとお茶をいただきに。こちらもなんと心地の良いしつらえで、思わず興奮。瞳さんディレクションで大工さんとリノベーションされたそう。
気負いせずにお茶をいただける瞳さんのおもてなしに感動。
おばあ様、お母様から受け継いだという茶器の存在も美しく調和されている。
客人に気を遣わせず、初めてなのにまるで訪れたことがあるような振る舞いをさせてくれる瞳さんの魔力にかかってしまい、あっという間の時間でした。
その後は、美紀ちゃんリクエストで、『モアライト』や『ライトイヤーズ』など、かなり個性的なセレクトショップ数軒にお連れくださりました。
夜は、瞳さんがオーナーを務める『台所 ようは』で食事。お昼にたくさんいただいたのに、まだ入るのか?!と思いながら美味しくいただきました。
さらに2階のBARで、モヒートを。お店でミントを水耕栽培しています。
博多のホテル『HOTEL IL PALAZZO』に宿泊
日本初のデザインホテルで、2023年にリデザインした『HOTEL IL PALAZZO(ホテル イルパラッツォ)』に宿泊。中洲近くの好立地です。
「アルド・ロッシと内田繁」と聞いただけで心躍り、気になっていたホテルにこんなに早く宿泊できる幸せ。
入り口からフロントまでに感じる深い青。そして地下ラウンジ「エル・ドラド」の奥には黄金のファサードが。クールだけではなく、落ち着きも感じるバランスは何でしょう?
客室は、白が基調のシンプルでストレスがない空間です。
唐津焼ギャラリーや老舗旅館『洋々閣』を見学
2日目は、瞳さんのお迎えで佐賀県唐津に遊びに行きました。
瞳さんは唐津にも『たまとり』というカウンターのお店を持たれているので、ランチはそちらでいただきました。
使われている器は全て、陶芸家・中里花子さんによる『monohanako』のもの。5品のコース料理を「美味しい!」としか言わず、とにかく食べ尽くして大満足。
その後、中里花子さんの工房・ギャラリーへ。個展前で作品は少なかったけれど、お気に入り見つけてお持ち帰り。花子さんともお話もできました。
唐津、最後の訪問地は老舗旅館『洋々閣』。明治、大正の面影に現代建築の美を調和させた純和風旅館で、宿泊しなくても唐津焼を楽しめるギャラリーが併設されています。
ここでは、花子さんのお父上の中里隆さん、太亀さんの作品の展示販売もしています。もちろん花子さんの作品も。
中の建物も見応え抜群でした。
あっという間に旅が終了。瞳さんが限られた時間の中でピンポイントにご案内してくださったおかげで、五感全部で感じる2日間でした。充実した旅と、美紀ちゃんと瞳さんに感謝。またいつか博多や唐津を訪れたいと思いました。
また、瞳さんの現在があるのは、小さい頃のアメリカでの経験やおばあ様お母様ご家族の存在、博多という環境があったこと。今は東京と博多をベースに、世界中どこでも行きたいところにすぐ飛んでいく行動力に感銘を受けました。
そして同行者である美紀ちゃんのフィロソフィーは温かく強く、いつまでも寄り添いたいと感じました。