屋根裏部屋の昼寝も快適な築140年の古民家。陶芸家・白倉えみさんのくつろげる部屋 (後編)
ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回は陶芸家・白倉えみさんのお部屋です。
間取り
長年住んでいても飽きない、楽しみが続く家。
「ずっと家にいるので、ご飯食べたらまたすぐに作業している……。手離れ悪いというか、際限なく続けられちゃうんですよね。だから、ゆっくりくつろいではいないのですが、休憩時間は多いです。以前に腰と膝を痛めたこともあり、こういう仕事だから腰を伸ばさないといけないので、座るよりも寝転がっちゃいます。縁側のハンモックや屋根裏部屋で大の字になり、静かで風が心地いいと、そのまま寝落ちしてしまうことも……」
また、同じく家で創作作業をする夫は、「休憩がすごく必要な人で、頻繁にお茶しようと」。夫が家にいるときは、1日に何度もお茶タイムになるのだとか。
敷地も広い一軒家なので「庭の手入れや外周りの掃除など、することは多いですが、好き勝手に花木を植えられるし、雑草取りで植物や土に触れることでも癒されるんです。仕事でも土に触れますが、それとはまた別の感覚」。そんな白倉さんにとって、この家は「楽園」だといいます。
葉山との境界線の長者ヶ崎を越えたあたりから、「場が変わるような気がする」という白倉さん。この辺を舞台にした泉鏡花の『草迷宮』でも描かれているような、ちょっと不思議な気配が普通に感じられるという場所。そこで暮らすことが、ものづくりにおいても、単純ではない深みを加えてくれるのかもしれません。
PROFILE
白倉えみ/しらくら・えみ
陶芸家。第2金曜から月曜は自宅併設のKURAKURA storehouseにて、自身と夫の作品展示の他、他の作家の展示なども行っている。Instagram:@kurakura_storehouse
『クウネル』2024年7月号掲載 写真/加藤新作、取材・文/黒澤弥生
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『クウネル』NO.127掲載
くつろげる部屋が好き!
- 発売日 : 2024年5月20日
- 価格 : 1000円 (税込)