切る、塗る、埋める…住んでつくり続ける“箱”。『オルネ ド フォイユ』デザイナー・谷 ヒュンスクさん(後編)
ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回は『オルネ ド フォイユ』デザイナー・谷 ヒュンスクさんのお部屋です。
間取り
住み始めてからが家づくりの出発点。
建築家に家作りに関するアドバイスをもらいながら、壁の色、素材など内装に関することはすべてを夫婦で決定。多くを施主支給で進めました。
「少ない時間のなかで、どんどん決めていかなくてはならず、本当に大変で」とヒュンスクさんは振り返ります。
さて、一家が移り住んできたのは、家づくり途上の段階。天井と壁は、引っ越し前に自分たちで塗りました。石膏ボードの継ぎ目をパテで埋め、その上から塗装。
窓から続く壁はR状に丸みをもたせました。ドアや棚は引っ越してから自分たちで取り付け、そんなDIY作業はいまも続いています。「海外のような」情緒あるインテリアは、そういう細部にまで注いだ情熱の結晶なのです。仕事の休みの度に、切ったり塗ったりを繰り返し……。
「実際に暮らしてみないとわからないことはある。後から『こうすればよかった』って絶対に出てくるんですよ。だから、暮らしながら、少しずつ手を加えていくんです」と夫妻は話します。
PROFILE
谷ヒュンスク/タニ・ヒュンスク
夫の谷 卓さんが営むインテリアと雑貨のショップ『オルネ ド フォイユ』でファブリックアイテムのディレクションを担当。韓国出身。パリ留学中に夫と出会った。
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『クウネル』2024年7月号掲載 写真/加藤新作、取材・文/黒澤弥生
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『クウネル』NO.127掲載
くつろげる部屋が好き!
- 発売日 : 2024年5月20日
- 価格 : 1000円 (税込)