そろそろ、いや再びおしゃれと美容に向き合おうと決意した作家・甘糟りり子さんがときめいた買い物

60歳になったばかりという作家の甘糟りり子さん。50代では、少しモチベーションが下がり気味だったおしゃれと美容ですが、今一度がっつり向き合ってみようとリスタートを切りました。「私らしいおしゃれは?」「楽しく続けられる美容は?」。いまの自分に最適なおしゃれと美容を模索する様を綴ります。

「何を着ていたかより、おしゃれだという印象が残る」のが理想

年齢とともにファッションへの熱意は下がりつつあり、最近、服はネットで買って済ませることも少なくありません。たまーに行くショップは昔から通っているブランドやお馴染みのセレクトショップばかり。私の理想は「いつ会っても同じよう」で「何を着ていたかより、おしゃれだという印象が残る」スタイル。だからマンネリは正義なんだけれど、とはいえ、たまには感覚も風通しをしなくちゃなあという焦りもあります。

 

先日、六本木のミッドタウンで時間が中途半端に余ったので、ふと1階にある『CABaN』を初めて覗いてみました。取材やインタビューが続いていたので、何か服でも買おうと思ったのです。初対面のショップスタッフの女性に伝えました。

「あんまり時間がないのですが、私、たまに写真を撮られたりする場面もあって、そういう時に着る服を探してます。顔写りが良くてすっきり見えて、服が目立ち過ぎなくて、でもおしゃれっぽいもの、とか。ちなみに派手な色や柄物は着ません」

私がスタッフだったら、んなものねーよ、と吐き捨てるところですが、彼女は間髪入れずに、こちらはいかがですか?と一枚のニットを出してきたのです。グレーのニットで素材はカシミア、かなーり薄手、深めのVネック、袖口にも切り込みが入ってます。私が一番好きな色はグレーであることも、おばさんぽくならないVネックをいつも探していることも、春や夏の終わりに着るものがなくて毎年困ることも、何にも言っていないのに、あまりにもドンピシャな一枚でした。

私の好み、なんでわかったの?

忘れていた「ショッピングのわくわく」再び

彼女の選択眼に一目惚れ(というのかな? こういう場合)してしまい、少し先の季節のものも選んでもらいました。グレーのニットはトゥモローランドの新しいライン「TB」というブランドのものだったのですが、同じブランドのノースリーブのブラウス。

 

紺色というよりブルーの張りのある素材のそれは脇がざっくり空いているので、中に着るもので遊べそう。首の淵には白いテーピング、テーピングには同じく白いリボンがついていて、リボンを前にしても後ろにしても着られます。

夏はこういう「被っただけ」で形になる服、便利ですよねえ。手持ちの服との合わせ、今は白いデニムのスカートかパンツしか思いつかないけれど、これなら派手色のパンツと合わせてもおもしろいかもしれません。

加えてもう一つ、紺色の半袖ニットも買いました。こちらはコットン。初夏にはそのまま、秋口には白シャツに合わせてみようかと思ってます。グレーのものとこれとで、シンプルなニットこそディテールやデザインが大切だなあと実感。何年かぶりに、新しいお店でまとめ買いしちゃいました。きっと、あのスタッフと出会わなかったら、3枚もトップスを買うことなかったはず。すっかり遠い日の記憶だったショッピングのわくわくを思い出したのでした。

甘糟りり子さんの最新刊、好評発売中です!

私、産まなくていいですか

2024年の春に発売されたばかりの甘糟さんの新刊。

「妊活」や不妊治療、育児休暇など、妊娠と出産を題材にした大好評「産む産まない」シリーズの最新作。子どもが理由で突然訪れた離婚の危機を描く「独身夫婦」など──妊娠と出産をめぐって“女性の選択"を問いかける小説集!

帯に書かれた「産みたくないことに、どうして理由が必要なんだろう?」という言葉が印象的。「女性は子どもを産むことが幸せ」という風潮に疑問をもつ人々の心に優しく寄り添ってくれる温かな物語。

『私、産まなくていいですか』(講談社文庫)
288ページ、640円

イベントも目白押しです!

information

⚫︎トークショー
『私、産まなくていいですか』の発売を記念してトークショーが開かれます。出演は、著者の甘糟りり子さん、ゲストには、『ウィメンズヘルス』『エル・グルメ』編集長の影山桐子さん、司会は、博報堂ケトルの皆川壮一郎さん。トークテーマは、同書収録の中で一番反響のある「拡張家族」を中心に、出産や結婚、家族の新しい在り方、そして未来の社会などについて。

開催日時:19:30~21:30 (19:00オンライン開場)
開催場所:本屋B&B 世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 2F  +オンライン配信
イベントの詳細を読む

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⚫︎甘糟りり子が選ぶ鎌倉商店2024
鎌倉在住の甘糟さんがセレクトした素敵な「鎌倉のもの」が代官山の蔦屋書店に並びます
会期:6月1日(土)〜30日(日)
場所:
 代官山蔦屋書店1号館 1階 ブックフロア
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プレミアムメンバー

甘糟りり子

1964年生まれ。幼少より草花に囲まれた鎌倉の家に暮らす。『産まなくても、産めなくても』、『産む、産まない、産めない』(ともに講談社文庫)など、出産にまつわる物語が多くの女性の支持を得ている。『鎌倉の家』(河出書房新社)や『鎌倉だから、おいしい。』(集英社)などでは、鎌倉での暮らしの魅力と愛情を綴っている。その他著書として『バブル、盆に返らず』(光文社)も。
Instagram:@ririkong

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