【暮らしのヒントvol.1】幸せな暮らしは、心地よく整えられた住まいから

一田憲子が自室で立っている

毎日の暮らしや身のまわりのこと、機嫌よく整えられていますか? 体力や気力が若者のころとは違うと感じても、いまの自分に無理のないやり方で日々を気持ちよく。一日の終わりにフックにひっか けて乾かす。小さなストレスを 見逃さない気持ちが大事。クウネル世代の整え上手が実践している生活のルール、参考にしたいことがいっぱいです。

日常のルーティーンにして、自然体の整理・片づけを

一田憲子が立っている

■ルール1■
掃除とセットで 片づけて、体も気持ちも クリーンに

和室の部屋に白い棚や茶色のテーブルが置いてある
ながら整理で気分よく。片づけを拭き掃除と一 緒に朝の習慣に。執筆、昼食のあとにハンディ掃除機で部屋をざっと掃除する。その日の体調とも相談しながら、自然に体が動く仕組み。

著書『大人の片づけ』で、自然体で、無理のない片づけの考え方を紹介した一田憲子さん。一田さんが実践しているのは、ながら片づけ。

「さあ、片づけるぞ、と思うと気が重くなりますよね。年を重ねて体力気力 が減ってきている時期だから、気軽な気持ちで家事をこなしたいんです」

朝早めに起床して、ウォーキングに出かける一田さん。家に戻ってシャワーを浴び、洗濯機のスイッチを入れた後、軽く居間のテーブルやキッチンのカウンターの上を拭き掃除します。

前日にテーブルに置きっぱなしになって いた本やDMを片づけながらの掃除。 そのついでに部屋の中も整頓できる。

「分くらいさーっと拭いて、片づけるだけなんですが、空気まできれいに なるような、すっきりした気分になります。そのあとにちょっと仕事、朝ごはんという流れです」

片づけや掃除の手順をルーティーン化することで、自然に体が動くようになって、考えることなく仕事が進むのです。それも体も頭もフレッシュな朝 のうちに。毎日の家事に対するハードルを下げることで、気楽に気分よく。 それが大切なんですね。

■ルール2■
引き出しひとつの整理から、 気楽に始めよう

長方形のケースにハサミやボンドなどが入っている
次の片づけへの意欲が。 引き出しの中の仕切りは紙袋を切って利用している。ひとつの引き出しを整理しての小さな達成感が次につながっていく。

整理整頓するぞ!と意気込むと、 それだけで疲れてしまうと感じる人も多いのでは。そんな大げさな決意をする必要はない、と一田さんは考えます。ともかく無理のない、生活に取り入れやすい片づけであることが大事。

たとえば、引き出しをひとつ整理 することから始めてみては、というのが一田さんの提案。ちょっとあいた時間に気になっている引き出しをひとつ開けて、中身を点検。死蔵されている不要なものを処分して、全体を見える化することで、ごちゃごちゃしていた引き出しがすっきり、使いやすくなるはず。今日ここが片づいたから、次はとなりの引き出しも整理してみるか、というモチベーションにもつながっていくのです。

■ルール3■
気になることがあったら、そのままにしない工夫を

キッチンのシンクに水切りラックがかかっている
シリコンラックに替えて正解。長年の水切りラックへの悩みを解決してくれた優秀なシリコン製。シンクのサイズに合うものを、ネットで検索し、出合ったもの。
キッチン周りに物が吊るされている
一日の終わりにフックにひっかけて乾かす。小さなストレスを 見逃さない気持ちが大事。
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モノがきれいに収まらない、どうも汚れがつきやすい、などなど、 家事は毎日のことだから、ちょっとしたことでも、たまるストレスは意外に大きくなります。

一田さんはそういう不便さを感じた ら、すぐに改善策を考えるのだそう。

たとえば、キッチンの食器の水切りラック。以前はステンレス製を使っていましたが、どうしても白い水あかが付着し、落としにくいのがいやでした。

いろいろ探して、見つけたのはシリコン製のたためるラック。水あかはつかず、使い終わったらさっと拭いて、フックにひっかけておけば、翌朝はすっ きりドライに。使いにくさをそのままに放置しないことで、家の仕事はよりラクなものになるのです。

■ルール4■
片づけは自分の性格に合った方法で

調味料が整頓されているラック
使いやすさが一番大事。 見た目はちょっとご ちゃごちゃしていても、当人が納得し、 使い勝手がよければ、 その方法は正解。

「おおざっぱな性格なので、片づけが得意なわけではないんです」と一田さん。

たとえばキッチンのスチ ールラック。調味料、お茶や乾物を収 めるパントリー代わりですが、最初は 引き出しにきっちり収納していました。 が、中が見えなくて、同じものを2個買ってしまったり。種類別にスチールのかごにざっと収納するようにしたら、 モノが見渡せて整理がしやすく。

「片づけって性格によるし、私にはこれくらいがちょうどいい。ごちゃごち ゃでも、その人がそれで心地いいならそれでいい。すっきり至上主義で、そ のために無理をしたり苦しくなったりするのは違うと思います。無理なくそ の人らしく、でいいんじゃないかな」

『クウネル』2022年11月号掲載

写真/柳原久子、取材・文/船山直子

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